ユーグリッド互除法を用いた解法のコツ

皆さんユーグリッドの互除法を用いた解法に不慣れな方は先ずは慣れることです。練習あるのみ。これに尽きます。それでは慣れるためのコツを書いておきます。シンプルですが大切だと思うのでご覧ください。ただし, これは私はこうやって覚えましたという方法なので, 他に覚えやすい方法があればそれをご参照ください。それでは参ります。

余り=~に変形して代入

問題:13x+31y=1を満たす整数x, yの組を1組見つけよ。
手順としては左辺のx, yの係数を大きい方を小さい方で割って、商と余りで大きい数31を小さい数13を用いて表していきます。それが以下の\maru1になります。
31=13\cdot2+5\cdots\maru1
次に割る数の13を余りの5で割って, 同じように, 商と余りで大きい方の数13を小さい方の数5を用いて表していきます。それが以下の\maru2になります。
13=5\cdot2+3\cdots\maru2
次も同様に割る数5を余り3を用いて表すと, 以下の\maru3になります。
5=3\cdot1+2\cdots\maru3
同様に最後に割る数3を余り2で表すと, 余りが1になります。それが\maru4の状態です。
3=2\cdot1+1\cdots\maru4
この\maru4の余りが1の状態に, \maru3, \maru2, \maru1の順で式を置き換えていくのですが, このとき, ①~④の式をすべて(余り)\textcolor{red}{=}~の形に等式変形します。
\maru1より5=31-13\cdot2\cdots(a)
\maru2より3=13-5\cdot2\cdots(b)
\maru3より2=5-3\cdot1\cdots(c)
\maru4より1=3-2\cdot1\cdots(d)
このように(余り)\textcolor{red}{=}~の形に式変形して\textcolor{red}{(c), (b), (a)}の順に1つずつ置き換えていくのが攻略のポイントとなります。それと掛け算したときに, 掛け算の結果を書いてしまわないことです。\textcolor{blue}{13\cdot2}はそのままで, 26としないことです。目標は13と31を用いて1という数字をつくることですから。以下見ていきましょう。
(d)(c)をあてはめて,
1=3-(5-3\cdot1)
1=-5+3\cdot2
これに(b)をあてはめて,
1=-5+2(13-5\cdot2)
1=13\cdot2-5\cdot5
これに(a)をあてはめて,
1=13\cdot2-5(31-13\cdot2)
1=13\cdot12+31\cdot(-5)
よって、問題の13x+31y=1と比較して(x, y)=(12, -5)となる。

先のやり方が今一な人へ

ここまでのやり方がうまくいかない人は, 上の例題で, (余り)=~の形に変形した後, a=13, b=31と文字でおいて, その都度a, bで置き換えて表していくことをお勧めします。どういうことかと申しますと,
31=13\cdot2+5\cdots\maru1
13=5\cdot2+3\cdots\maru2
5=3\cdot1+2\cdots\maru3
3=2\cdot1+1\cdots\maru4
ここまでは同じ
①~④の式をすべて(余り)\textcolor{red}{=}~の形に等式変形します。
ここで, a=13, b=31に置き換えるのです。
①より5=31-13\cdot2=b-2a\cdots(a)
②と(a)より3=13-5\cdot2=a-2(b-2a)=5a-2b\cdots(b)
③と(a), (b)より2=5-3\cdot1=(b-2a)-(5a-2b)=-7a+3b\cdots(c)
④と(b), (c)より1=3-2\cdot1=(5a-2b)-(-7a+3b)=12a-5b\cdots(d)
となり, (d)から
12a-5b=1
つまり,
13\cdot12+31\cdot(-5)=1
が得られるという仕組みになります。
最初のやり方がしっくりこない方はこちらを試してみてください。

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