中学数学:円錐関連の公式の導出

こんにちは。相城です。円錐関連の公式の導出を書いておきます。単純に公式を暗記するのではなく, 覚えられる方は理屈も確認しておきましょう。

円錐の公式の導き方

円錐の展開図において, 側面のおうぎ形の半径(円錐の母線)をR,
側面のおうぎ形の弧の長さ(底面の円の周の長さ)を\ell, おうぎ形の中心角をa, 円錐の側面積(おうぎ形の面積)をS, 底面の円の半径をrとする。

側面の扇形の弧の長さ\ell

    \[\ell=2\pi R\times\dfrac{a}{360}\cdots\textcircled{\scriptsize 1}\]


側面の扇形の面積

    \[S=\pi R^2\times\dfrac{a}{360}\cdots\textcircled{\scriptsize 2}\]


\textcircled{\scriptsize 2}の式の両辺を2倍すると,

    \[2S=2\pi R^2\times\dfrac{a}{360}\]


R^2R\times Rに分解して変形すると,

    \[2S=\underline{2\pi R\times\dfrac{a}{360}}\times R\]


下線部は\textcircled{\scriptsize 1}と同じ式であるから,

    \[2S=\ell\times R\]


これより,

    \[S=\dfrac{1}{2}\ell R\cdots\textcircled{\scriptsize 3}\]


また\ellは円錐の底面の円周と等しいので,

    \[\ell =2\pi r\cdots\textcircled{\scriptsize 4}\]


\textcircled{\scriptsize 3}, \textcircled{\scriptsize 4}より,

    \[S=\dfrac{1}{2}R\times 2\pi r=\pi rR\cdots\textcircled{\scriptsize 5}\]


\textcircled{\scriptsize 1}を変形すると,

    \[\dfrac{a}{360}=\dfrac{\ell}{2\pi R}\]


\ell=2\pi rより,

    \[\dfrac{a}{360}=\dfrac{r}{R}\]


よって,

    \[a=\dfrac{r}{R}\times360\cdots\textcircled{\scriptsize 6}\]


まとめ

まとめ:円錐関連の公式
R=母線, r=底面の半径, a=側面の扇形の中心角として,
  1. 円錐の側面積Sの公式
    S=\pi rR
  2. 円錐の表面積S_1の公式
    (表面積)=(側面積)+(底面積)
    S_1=S+\pi r^2=\pi rR+\pi r^2
  3. 側面のおうぎ形の中心角a
    a=\dfrac{r}{R}\times360^{\circ}

Sに関してはS=\dfrac12 \ell rという公式があるが, 登場はS=\pi rRの方が使用頻度は高いと思われるので割愛している。では例題をやってみよう。

例題をやってみよう

下の図のような円すいの展開図がある。側面の展開図は, 半径が6cm, 中心角が
aのおうぎ形で, 底面の円の半径は4cmである。このとき, (1), (2)の問いに答えなさい。ただし, 円周率は\piとする。

(1) 側面のおうぎ形の中心角aの大きさを求めなさい。
(2) 円すいの表面積を求めなさい。


(1)であるが,

    \[a=\dfrac{r}{R}\times360^{\circ}\]


を用いて,

    \[a=\dfrac{4}{6}\times360^{\circ}=\dfrac23\times360^{\circ}=240^{\circ}\]


(2)は, 側面積Sを公式

    \[S=\pi rR\]


を用いて,

    \[S=\pi\times4\times6=24\pi\]


このSに底面積\pi r^2=16\piを加えて, 表面積S_1は,

    \[S_1=24\pi+16\pi=40\pi\]


40\picm^2となる。

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