こんにちは。相城です。今回は皆さん疑問に思ったことがあるかもしれません。連立方程式の増減の問題で, なんで今年の人数を, と置かないんだろうか?と。その疑問を見ていきましょう。
一般的な解法の裏側
問題:ある中学校で去年の生徒の人数は335人で, 今年は男子が5減り, 女子が4増えたので全体としては1人減った。
今年の男子と女子の人数を求めなさい。
よくありきたりな中学2年生で習う連立方程式の割合(増減)の文章問題である。
通常去年の男子の人数人, 去年の女子の人数を人として, 次のような連立方程式を立てるのが定石である。
式1
または,
式2
このどちらを解いても, となり, 今年の人数は男子(人), 今年の女子 (人)を得る。
答えを書くと、
今年の男子152人, 今年の女子182人(答)
ここで, 式1のと式2のは, どちらも同じ式であることは知っておかなければならない。
形が違うだけで, まったく同じ式である。以下にそれを書いてみた。
は次のように書ける。
展開して(かっこをはずして),
並べ替えると,
ここで, 下線部は式1のから335(より)と同じ(同値)である。
従って次のようになる。
335を右辺へ移行して、整理すると,
となり, 式2のが得られた。
式1のは今年の男子の人数と, 今年の女子の人数を合計して何人になったかという式で,
式2のはというと, 単純に男子が何人減って, 女子が何人増えたか, そして結果として何人の増減だったのかという式である。
今年の人数をx, yとしてみると
では, 最後に面倒な小数の計算して今年の人数を出すぐらいなら,
何で今年の男子の人数を人, 今年の女子の人数を人としないのか, 納得いかない。
そういう方のために実際に今年の男子, 女子の人数をそれぞれ人, 人としてやってみました。
(解)今年の男子人, 今年の女子人とおくと,
去年の男子は人, 去年の女子は人
これより,
これより求める式は,
なんか面倒みたいですね。ただ答えが出ることを確認するために, 最後まで力ずくで行きましょう。
の式の分母が小数なのが嫌なので, 両辺にをかけると
両辺にをかけると,
より,
より,
, これをに代入して,
よって,
今年の男子152人, 今年の女子182人(答)
この解法で, ポイントはの式でしょうね。結局式を作る過程で去年の人数を使うんだし, 今年の人数を, とおくと, 去年の人数が分数になってしまう。それだったら去年の人数を, とおいて, 今年の人数を求めた方が楽だってことでしょうね。
今年の人数を, とおいて答えが出ないわけではないです。面倒なだけなのです。