こんにちは。今回は中1の正負の数の加法と減法についてです。
加法とは足し算のこと, 減法とは引き算のことです。
基本は4パターンしかない
(1)
(2)
(3)
(4)
まず, (1)の式を言葉にすると
より大きい数
これからを得る。
(2)の式を言葉にすると
より大きい数
大きいとは言わないので, これを3小さいに置き換えると
より3小さい数となり, を得る。
(3)は同様に,
より3小さい数となり, を得る。
(4)は,
より3大きい数となり, を得る。
ここでポイントとなるのは2数の符号とその計算結果です。
(1), (2)はともに2数の符号は同じ(同符号の和)になっています。そして, 計算結果の符号は2数に共通な符号で, 答えの絶対値は2数の絶対値の和になっています。
(3), (4)は2数の符号が異なります(異符号の和)。この場合, 計算結果の絶対値は2数の絶対値の差になっていて, 答えの符号は絶対値の大きい方の符号がつきます。
つまり, 2数の和の計算をするとき,
〇同符号の和2数の絶対値の和に共通の符号をつける。
例:
〇異符号の和2数の絶対値の差に絶対値の大きい方の符号をつける。
例:
これが基本になります。
減法は加法に直して計算できるのです。
基本は2パターンしかない。以下の(1),(4)のように正の数を引くか, (2),(3)のように負の数を引くか。
(1)
(2)
(3)
(4)
上記4つを言葉で説明すると
(1) より小さい数を求めています。
(2) より小さい数を求めています。
(3) より小さい数を求めています。
(4) より小さい数を求めています。
ただ, 「小さい」を「大きい」に置き換えることが可能です。これは正負の数のところで勉強しました。
つまり,
(1) より小さい数より大きい数
(2) より小さい数より大きい数
(3) より小さい数より大きい数
(4) より小さい数より大きい数
こうやって, 「小さい」を「大きい」に置き換えることで, 2つのパターンの減法はそれぞれ加法に直すことが可能です。
これで, 今まで通り加法によって計算ができます。
加法に直すことも大事ですが, かっこの外し方も重要です。
かっこを外すと見えてくるものがあります。
かっこの外し方は次のパターンです。
ポイント
①かっこの前と中の符号が同じならになります。
②かっこの前と中の符号が異なればになります。
例
加法の(3)のパターン
加法の(4)のパターン
加法の(1)のパターン
加法の(2)のパターン
これで, すべての計算が加法のパターンでできるようになります。
また, 3つ上の数の加法減法もこれでできます。
でもここでは, 重要な正の項, 負の項も勉強しなくてはいけないので, まずはそれから,
という式があったとき, これを加法に直すと,
となります。
この状態で( )の中の数を正の数, 負の数で分けると
正の数
負の数
と呼びます。これが正の項, 負の項の基本的な考え方ですが, かっこの外し方でもっと簡単にできるようになります。
かっこの外し方を使うと
となり, 符号の前でをいれると,
これで, 正の数がとなり, これらが正の項, 負の数がとなり, これらが負の項となるわけです。
また, 加法に直す場合もかっこを外した式からたどれば, 簡単に加法に直すことができます。
正の項のことろはもうすでに加法になっているので, 負の項の前にを入れて( )でくくればいいんです。
これで, 加法だけの式に直すことができます。
なんで, 正の項, 負の項の勉強をしたかというと, 3つ以上の数の加法減法では, 正の項, 負の項に分けて計算すると何かと便利なんです。
例えば, 今の問題で
なるので, 正の項どうし, 負の項どうしに分けると, それらは絶対値の和に共通の符号をつけるだけですから,
という具合にすぐにまとめて計算することが可能です。
これらができるのは, 加法の交換法則と加法の結合法則があるからです。
加法の交換法則は,
加法の結合法則は
という具合にしても答えは変わらないという内容です。もちろん左から順に計算しても結果は同じになります。でも正の項, 負の項で分けて計算した方が便利さを感じやすいかもしれませんね。