高校数学:数列:確率と漸化式の演習①

こんにちは。今回は確率漸化式の問題です。

問題

【問】1個のサイコロをn回投げるとき, 3の倍数の目が奇数回出る確率をP_nとする。P_nnの式で表せ。

解答・解説

確率漸化式は今回の場合ですと, (n+1)回目に奇数回になる確率を考えます。
このとき, n回目に3の倍数が奇数回出ている確率をP_nとすると, n回目に偶数回(奇数回出ていない)出ている確率は1-P_nとなります。ここで, 3の倍数の出る確率は\dfrac13, 3の倍数以外が出る確率は\dfrac23であるから, n+1回目に奇数回となることを考えると, n回目がP_n(3の倍数が奇数回)ではすでに奇数回出てるので, n+1回目では3の倍数以外が出ればいい。 したがって, n+1回目の確率P_{n+1}は, P_n\times\dfrac23=\dfrac23P_n\cdots\textcircled{\scriptsize 1}, また, n回目が1-P_n(3の倍数が偶数回)では, 次に3の倍数が出ればいいので, n+1回目の確率P_{n+1}は, \left(1-P_n\right)\times\dfrac13=\dfrac13\left(1-P_n)\right\cdots\textcircled{\scriptsize 2}となる。

確率P_{n+1}\textcircled{\scriptsize 1}\textcircled{\scriptsize 2}の和なので,
P_{n+1}=\dfrac23P_n+\dfrac13\left(1-P_n\right)
P_{n+1}=\dfrac13P_n+\dfrac13\cdots\textcircled{\scriptsize 3}
これが,
P_{n+1}+\alpha=\dfrac13\left(P_n+\alpha\right)\cdots\textcircled{\scriptsize 4}
と変形できることから,
P_{n+1}=\dfrac13P_n-\dfrac23\alpha\cdots\textcircled{\scriptsize 5}
\textcircled{\scriptsize 3}, \textcircled{\scriptsize 5}は恒等的な関係より
\dfrac13=-\dfrac23\alpha
\alpha=-\dfrac12
よって\textcircled{\scriptsize 4}
P_{n+1}-\dfrac12=\dfrac13\left(P_n-\dfrac12\right)
また, P_1\dfrac13なので
数列P_n-\dfrac12は初項P_1-\dfrac12=\dfrac13-\dfrac12=-\dfrac16, 公比\dfrac13の等比数列。
よって,
P_n-\dfrac12=-\dfrac16\cdot\left(\dfrac13\right)^{n-1}
したがって,
P_n=-\dfrac16\left(\dfrac13\right)^{n-1}+\dfrac12

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