こんにちは。今回は分数関数の積分について書いておきます。以下, は積分定数とします。
まず分数関数が約分できるときは約分して次数を下げて考えます。
【例】
以下約分できないものとして扱っていきます。
【Case1】分子が定数の形の場合
はとして積分する。
【例】
【Case2】分子が分母を微分したものになっている場合
【例】
【Case3】(分子の次数)>(分母の次数)の場合
分子を分母で割るなどして, (分子の次数)<(分母の次数)となるように変形する。
【例】
【Case4】上記で解決しない場合, 特に分母が因数分解できる場合は, 部分分数分解を行って, 積分する。
【例】
部分分数分解を行うとして, 分子が分母より低次数であることが条件になります。
部分分数分解の方法として, 例えば,
を部分分数に分ける場合,
とおいて, 右辺を通分し, 分子の係数比較を行うことで, 連立方程式ができ, それを解くことで, 定数の値が求まり, 部分分数分解を実現できる仕組みになります。この他に, 分母をはらって恒等的な関係を用いる数値代入法で, 定数の値が求まります。
特に
の場合
として, 分子の係数比較を行い, 連立方程式などで, 定数の値を決めるといいでしょう。これも先と同様に, 分母をはらって恒等的な関係を用いる数値代入法で, 定数が求まります。
分子が1の部分分数分解の公式についてはこちらの記事をご覧ください。
部分分数の一般的な形はこちらの記事をご覧ください。
高校数学:部分分数分解の分け方のパターン