SNSの私刑行き過ぎでは(R5.2.24徳島新聞掲載分)

こんにちは。徳島新聞に載った記事を書いています。それではどうぞ。

SNSの私刑行き過ぎでは

2月に入って目につくのが, 回転ずし店などで起こった迷惑行為である。少年たちは若気の至りで事を起こしてしまったに違いない。それがまさかこんな大事になるとは思ってもみなかっただろう。
迷惑行為をされた店側が, 悪事を働いた少年たちに厳罰を求めることは理解できる。ただ, 交流サイト(SNS)で行われている, いわゆる「私刑」はちょっと行き過ぎているような気がする。
少年の実名はもちろん, 住所, 学校, 家族構成, 卒業アルバムなど, これでもかというようにネット上にさらされているようだ。映像はもちろん, これらはデジタルタトゥーとして残り続けると思われる。許せない気持ちは十分に分かる。ただ, それは司法が判断することであって, われわれが他人の人生をそこまで追い詰めていいものなのか。
失礼を承知で申し上げると, 誰にも若気の至りや過ちといった類はあったと思う。当時はSNSなどがなかっただけではないか。世間は一つの過ちで, この世で生きる価値がないような世界を求めているのか。そのような価値観を求められるほど, 私たちは清廉潔白でないと思うし, そんな社会は窮屈で仕方ない気がする。

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