高校数学:空間ベクトル:外積を用いた垂直なベクトルの求め方

こんにちは。内積があれば, 外積もあるという話。今回は空間における2つのベクトルに対して垂直なベクトルの求め方を外積を用いて, 求めてみる。自身が高校生のときよく使ってました~懐かしい。

外積

2つのベクトル\bekutorui{A}=(a_1, a_2, a_3), \bekutorui{B}=(b_1, b_2, b_3)の両方に垂直なベクトルを\bekutorui{X}=( x, y, z )とする。このとき, 内積の関係から,
a_1x+a_2y+a_3z=0\cdots\maru1
b_1x+b_2y+b_3z=0\cdots\maru2
が成り立ち,
\maru1, \maru2yを消去すると,
(a_1b_2-a_2b_1)x=(a_2b_3-a_3b_2)zとなり,
x=\dfrac{a_2b_3-a_3b_2}{a_1b_2-a_2b_1}zとなる。
同様にして, \maru1, \maru2xを消去すると,
(a_1b_2-a_2b_1)y=(a_3b_1-a_1b_3)zとなり,
y=\dfrac{a_3b_1-a_1b_3}{a_1b_2-a_2b_1}zとなる。
これらのことから, \bekutorui{X}の成分の比は
x : y : z=\left(\dfrac{a_2b_3-a_3b_2}{a_1b_2-a_2b_1}z\right) : \left(\dfrac{a_3b_1-a_1b_3}{a_1b_2-a_2b_1}z\right) : z
となり, この比を簡単にすると,
x : y : z = (a_2b_3-a_3b_2) : (a_3b_1-a_1b_3) : (a_1b_2-a_2b_1)
となる。
つまり, 2つのベクトル\bekutorui{A}\bekutorui{B}に垂直なベクトル\bekutorui{X}の1つは,
\bekutorui{X}=(a_2b_3-a_3b_2, a_3b_1-a_1b_3, a_1b_2-a_2b_1)
で与えられる。
これを\bekutorui{A}, \bekutorui{B}の外積という。
この外積の計算は以下のように計算するのが有名である。

例題

【例題】2つのベクトル\bekutorui{a}=(1, 2, 3), \bekutorui{b}=(1, -2, 1)の両方に垂直で大きさが\sqrt{21}のベクトル\bekutorui{p}を求めよ。

上の計算で垂直なベクトルを求めると,

となるので, 垂直なベクトルの1つは, (8, 2, -4)。このベクトルを簡単にして, 垂直なベクトルの1つは(4, 1, -2)とおける。この問題では大きさが\sqrt{21}であるから, 求めるベクトルを(4k, k, -2k)として, 大きさが\sqrt{21}になるようkを定めると,
(4k)^2+k^2+(-2k)^2=21
k=\pm1
よって求めるベクトルは,
(\pm4, \pm1, \mp2) ただし, 複合同順

こんな風にして垂直なベクトルが求まるというお話です。

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