高校数学:3つの相加相乗平均と4つの相加相乗平均

こんにちは。相城です。久しぶりの投稿です。今回は大学入試でもよく登場する。3つの相加相乗平均と4つの相加相乗平均の証明を書いておきます。4つはあまり見ないかもです。それではどうぞ。

3つの相加相乗平均

3つの相加相乗平均の関係式は以下のようなものです。

3つの相加相乗平均

3つの正の整数a, b, cについて,
\dfrac{a+b+c}{3}\geqq \sqrt[3]{abc}\cdots\maru1

【証明】
A>0,\, B>0,\, C>0とするとき,
A^3+B^3+C^3-3ABCを考える。
A^3+B^3+C^3-3ABC=(A+B+C)(A^2+B^2+C^2-AB-BC-CA)
であり,A+B+C>0\cdots\maru2
\begin{array}{lll}A^2+B^2+C^2-AB-BC-CA&=&\dfrac12(2A^2+2B^2+2C^2-2AB-2BC-2CA)\\&=&\dfrac12\left\{(A-B)^2+(B-C)^2+(C-A)^2\right\}\geqq0\cdots\maru3\end{array}
等号成立はA=B=Cのとき。
\maru2, \maru3より,
A^3+B^3+C^3-3ABC\geqq0
したがって,
A^3+B^3+C^3\geqq3ABC
ここで, A=\sqrt[3]{a}B=\sqrt[3]{b}C=\sqrt[3]{c}とすると,
a+b+c\geqq3\sqrt[3]{abc}となり,\maru1が得られます。

4つの相加相乗平均

4つの相加相乗平均の関係は以下のようなものです。

4つの相加相乗平均

4つの正の数a, b, c, dについて,
\dfrac{a+b+c+d}{4}\geqq\sqrt[4]{abcd}\cdots\maru4


【証明】
2つの正の数a,\, bについて,
\dfrac{a+b}{2}\geqq\sqrt{ab}
が成り立つので,4つの正の数a, b, c, dについて,
\begin{array}{lll}\dfrac{a+b+c+d}{4}&=&\dfrac12\left(\dfrac{a+b}{2}+\dfrac{c+d}{2}\right)\\&\geqq&\dfrac12\left(\sqrt{ab}+\sqrt{cd}\right)\\&\geqq&\sqrt{\sqrt{ab}\sqrt{cd}}\end{array}
したがって,
\dfrac{a+b+c+d}{4}\geqq\sqrt[4]{abcd}
となり,\maru4が得られた。

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