R7.6.7徳島新聞掲載分です。
5月18日付本稿「思考力養われる手書き学習」を拝読しました。私もそのように考えている一人です。
タブレットに電子ペンで文字を書く時に,ペンが滑る感覚がつかめず,思い通りの字が書けたことがありません。紙に書く時の鉛筆が紙に引っかかる感覚がないのです。この違いは指先から脳に伝わる信号に何かしら影響があるのではないかと考えています。
ただ,これは数十年間,紙の媒体を中心とした勉強を行ってきたからで,デジタルネイティブな現代の子どもには私の言っていることが逆に理解できないかもしれません。
スウェーデンでは,教育現場をIT化しましたが見直されています。デジタルの情報源から知識を得るのではなく,印刷された教科書と教師の専門知識からの学びが重要だとして,従来の指導方法に戻す動きが出ているようです。ただ,これにもある専門家は,こういったことは保守派の政治家がよく使う手段で,結局のところテクノロジーの何が効果的なのかが分かっていないことの裏返しだと指摘しているそうです。
日本の教育現場でもIT化が進んでいます。主役である子どもたちにとってどちらがいいのか,よく議論したうえで進めていただきたいと願っています。