こんにちは。相城です。今回は因数分解の攻略を見ていきましょう。
因数分解とは
因数分解は展開の逆の作業のことをいいます。
全てではありませんが, 簡単に言うと, かっこの無い式をかっこのある式に変形します。難しい言い方をすれば和の形を積の形だけに変換する作業です。
中2で習った因数分解
因数分解って, 厳密には中3で習うんですが, 中2で実はすこしかじっているんです。偶数 偶数は偶数っていう文字式の説明ってやったでしょ?覚えていますか?2つの偶数を
偶数は偶数っていう文字式の説明ってやったでしょ?覚えていますか?2つの偶数を ,
,  とすると, その和を求めると,
とすると, その和を求めると, 
 
      ![Rendered by QuickLaTeX.com \[2m+2n=2(m+n)\]](https://mathtext.info/blog/wp-content/ql-cache/quicklatex.com-c2347e32f05858228cd9f4481d3ad4dd_l3.png)
この作業を因数分解って言うんですね。
左辺の
 の各項に共通する2という因数をとりだして, 右辺の
の各項に共通する2という因数をとりだして, 右辺の に変形していますね。
に変形していますね。このように, 共通する文字や数字を最大限とりだすことを因数分解といいます。
この共通する因数のことをそのまま共通因数といいます。
因数分解の基本思考の4パターン
基本1
因数分解では, 共通因数を取り出すことが基本となります。
 
      ![Rendered by QuickLaTeX.com \[5xy^2+10x^2y=5xy(y+2x)\]](https://mathtext.info/blog/wp-content/ql-cache/quicklatex.com-b1e01c3444d2f67718ab1be259d6c5c1_l3.png)
ここで,
 は
は と
と に共通する因数(約数)です。
に共通する因数(約数)です。因数とは約数のことであることは, 素因数分解のところで勉強しました。こうやって, 式も因数で分解していきます。
基本2
現行教科書では公式から因数分解をたどっていますが, 今回は因数分解の本質?的なところから入っていきます。
 それは, 展開すると
 
      ![Rendered by QuickLaTeX.com \[(x+3)(x+2)=x^2+5x+6\]](https://mathtext.info/blog/wp-content/ql-cache/quicklatex.com-99f46f265d72be4b5d2a323077a22d6f_l3.png)
なるのであれば,
      ![Rendered by QuickLaTeX.com \[x^2+5x+6=(x+3)(x+2)\]](https://mathtext.info/blog/wp-content/ql-cache/quicklatex.com-ba9becd389e45d64015cb417f5816fff_l3.png)
と因数分解できるということです。
ではどうやって考えるか, それは数字に隠されています。6という数字は最後ある2つの数を掛け算して得られた数です。また, 5はある2つの数を足して 得られた数ということは公式から分かることです。ここで, 掛け算して6になる2数を考えた方が有効か, 足して5になる2数を考えた方が有効かを考えた場合, 整数の範囲に限定しても, 足して5になる2数の組み合わせは無限にあることに気付くでしょう。そして掛けて6になる2数の組み合わせ方が有限個です。ですから, 掛けて6になる2数を考えていきます。
掛けて6になる数も考え方によっては無限にありますが, 中学校の因数分解は基本的には整数の範囲で行うことが多いので, それはイレギュラーな例としてここでは扱わないことにします。
では掛けて6になる組み合わせを考えると, 以下の表ができます。

この表から, 掛けて6足して5になる2数の組み合わせは2と3になります。したがって,  は
は と因数分解できるのです。
と因数分解できるのです。
 
基本3 
残りの公式もこれが基本で因数分解できます。
 例えば,  の因数分解も, いまやったやり方で解けます。
の因数分解も, いまやったやり方で解けます。

 この表から, 足して になる組み合わせは
になる組み合わせは と
と になります。したがって,
になります。したがって, 
  となり, 同じ式は累乗を使って書くので,
となり, 同じ式は累乗を使って書くので,  と因数分解できます。
と因数分解できます。 
基本4
次に,  の因数分解も同様に考えることができます。
の因数分解も同様に考えることができます。
 今度は掛けて , 足して0になる組み合わせを考えればいいので,
, 足して0になる組み合わせを考えればいいので,  

 この表から, 掛けて , 足して0の組み合わせは4と
, 足して0の組み合わせは4と である。したがって,
である。したがって, 
  は
は と因数分解できます。
と因数分解できます。
この4パターンが基本になります。
 あとはこれらを組み合わせたりしているだけです。
応用例題
 少し応用問題をいくつかやって終わりたいと思います。
 (1)  を因数分解しなさい。
を因数分解しなさい。
 (2)  を因数分解しなさい。
を因数分解しなさい。
 (3)  を因数分解しなさい。
を因数分解しなさい。
 

(1) 共通因数 でくくって, さらに因数分解
でくくって, さらに因数分解 ・・・(答)
・・・(答)
 
(2)  とおくと
とおくと , これを因数分解すると,
, これを因数分解すると,
 として計算すると,
として計算すると, ・・・(答)
・・・(答)
 
(3)  とおくと
とおくと , 共通因数
, 共通因数 でくくると,
でくくると, ,
,  にもどすと,
にもどすと, ・・・(答)
・・・(答)
 数樂管理人のブログ
            数樂管理人のブログ    
