中学数学:はじめての平方根+α

こんにちは。相城です。今回は平方根を見ていきましょう。

平方根って何?

さていよいよ?数学らしくなってくるときが来ました。無理数(むりすう)というものをこれから学びます。 無理数については簡単に触れる程度の説明として, 新しい数学の記号と概念をここでは学んでください。

2乗してある数aになる数を考えていくことにします。

例えば, 2乗して36になる数は, なんですか?
6-6です。
そうですね。このとき, この2つの数(\pm 6プラスマイナス6と読む)を36の平方根といいます。このとき,
+636の正の平方根
-636の負の平方根
となります。

2乗するとaになる値をaの平方根といいます。
この場合, 36の平方根は\pm6ということです。

一般に, ある数a\hspace{1mm} (a>0)の平方根は, 次の関係を満たすxになります。

    \[x^2=a\]


ですから, 平方根は正と負の2つあることになります。
ただ, 0の平方根は0しかありません。

つまり,
64の平方根は8と-8(\pm 8)
\dfrac94の平方根は\pm\dfrac32
0.04の平方根は\pm0.2
となります。

2乗して負になる数は中学校では学びません。
では, 上に書いたようにすんなり求まる数字はいいでしょう。考えなくてはいけないのが平方根がきちんと求まらない数です。
どういった数かといいますと, 例えば2という数字。
2乗して2になる数はいくつなんでしょうか。

    \[1^2=1,\hspace{1mm} 1.1^2=1.21,\hspace{1mm} 1.2^2=1.44,\hspace{1mm} 1.3^2=1.69,\hspace{1mm} 1.4^2=1.96,\hspace{1mm} 1.5^2=2.25\]


1.4^2=1.96,\hspace{1mm} 1.5^2=2.25であるから(1.4の2乗では2をこえなくて, 1.5の2乗で2をこえたので), 2の平方根は1.4と1.5の間にあります。次に

    \[1.41^2=1.9881,\hspace{1mm} 1.42^2=2.0164\]


このことから, 2乗して2になる数は1.41と1.42の間にあります。
1.411^2=1.990921,\hspace{1mm} 1.412^2=1.993744,
1.413^2=1.996569,\hspace{1mm} 1.414^2=1.999396,
1.415^2=2.002225
このことから, 2乗して2になる数は1.414と1.415の間にあることが分かります。以下ずっと計算していけば,
2乗して2になる数を突き詰めていくことができます。

ただ, それは永遠に行っていかなくてはいけない作業になります。
このように, ある数の平方根が特定の数字として求まらないときは記号\sqrt{\hspace{3mm}}(記号の名は根号)を使って平方根を表すのが約束です。
したがって,
2の平方根は\pm\sqrt{2}\hspace{1mm} (\pmルート2と読む)
となります。
このように\sqrt{\hspace{3mm}}を使って表した数字を無理数といいます。

一般に, ある数a\hspace{1mm} (a>0)の平方根は\pm\sqrt{a}となります。

平方根\pm\sqrt{a}は二乗するとある数aになりますが,
\sqrt{\hspace{3mm}}の中がある数の2乗になるときは\sqrt{\hspace{3mm}}がはずれます。

例えば, 25の平方根は\pm\sqrt{25}ですが, 25=5^2であるから, \pm\sqrt{25}=\pm\sqrt{5^2}となって, 2乗すると25になる数がきちんと存在します。その場合は, \pm\sqrt{25}とは書かず, \pm\sqrt{25}=\pm5となります。 ですから何でもかんでも\sqrt{\hspace{3mm}}を付ければいいというものではありません。

問題

ここで簡単な?問題(解答はこのページの最後に掲載)
Q1~Q5の文を読んで, 下線部の誤りがあるものは訂正しなさい。
Q1. (-\sqrt{7})^2\underline{7}である。
Q2. 10の平方根は\underline{\sqrt{10}}である。
Q3. \underline{-36}の平方根は\pm6である。
Q4. \sqrt{(-5)^2}=\underline{-5}である。
Q5. \dfrac49の平方根は\underline{\pm\sqrt{\dfrac49}}である。

平方根の大小

平方根の大小
平方根もれっきとした数ですから大小関係が存在します。
a,\hspace{1mm} bを正の数とし, a>bであるとするなら,

    \[\sqrt{a}>\sqrt{b}\]


という関係が成り立ちます。
\sqrt{7}\sqrt{10}の大小関係を不等号を用いて表せ。7<10より,

    \[\sqrt{7}<\sqrt{10}\]


-\sqrt{5}\sqrt{3}の大小関係を不等号を用いて表せ。-5<3より,

    \[-\sqrt{5}<\sqrt{3}\]


-\sqrt{6}-\sqrt{2}の大小関係を不等号を用いて表せ。-6<-2より,

    \[-\sqrt{6}<-\sqrt{2}\]


このように正の数, 負の数と同様に大小関係が示すことができます。

余談

以下余力のある人。中学生レベルではほとんどいらない知識ですので,
余談ですが平方根の平方とは2乗と同じ意味です。面積の単位でcm^2平方センチメートルって言いますよね。 2乗があるのなら3乗, 4乗, \cdotsってありますから, 平方根の次に3乗根(立方根), 3乗根の次に4乗根, \cdots ってありそうですね。8の3乗根は2です。2を3乗すれば8になりますよね。 -27の3乗根は-3, 2の3乗根はきちんと求まらないので, \sqrt[3]{2}と書きます。

Q1~Q5の答え

Q1. (-\sqrt{7})^2\underline{7}である。
正しい。
Q2. 10の平方根は\underline{\sqrt{10}}である。
\pm\sqrt{10}
Q3. \underline{-36}の平方根は\pm6である。
36
Q4. \sqrt{(-5)^2}=\underline{-5}である。
5
Q5. \dfrac49の平方根は\underline{\pm\sqrt{\dfrac49}}である。
\pm\dfrac23

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