こんにちは。相城です。高校生になってつまづきやすい1つが, この2次関数の場合分けです。今回は定義域が固定で, 軸が移動してくる場合を書いてみたいと思います。グラフ画像はイメージです。
以下, 例題を見ながら場合分けの方法を書いていきますね。
例題:2次関数の最小値を求めなさい。
まず, 式を平方完成すると,
となるので, 2次関数の軸はということが分かります。軸が文字(変数)になるので, この軸がどこにあるかで, 最小値をとる
の値が変わってきます。結論から言うと, この場合, 2次関数の軸が定義域の左側, 内側, 右側の3パターンで分けて考えます。
場合分け①:(軸が定義域の左側にあるとき)
最小値はのときなので,
に
を代入すると, 最小値は
となります。
場合分け②:(軸が定義域の内側(両端含む)にあるとき)
最小値はのときなので, この場合は平方完成した式に代入するのが手っ取り早いので,
に
を代入すると, 最小値は
になります。
場合分け③:(軸が定義域の右側にあるとき)
最小値はのときなので,
に
を代入すると, 最小値は
となります。
場合分けと最小値をとるの値を表にすると以下のようになります。
例題:2次関数の最大値を求めなさい。
まず, 式を平方完成すると,
となり, 最小値と同じように, 軸の場合分けを行っていきます。
ただ, 場合分けの方法は, 最小値と全く同じというわけではありません。よく図を見ていると, 最大値をとるの値は, 軸
が定義域のちょうど真ん中の
より小さいときまでは,
で最大値をとり, 次に軸
が
と一致するとき
で最大値が一致し, 軸
が
より大きいとき
で最大値をとるようになるので, その3パターンで場合分けします。
場合分け①:(軸が定義域の真ん中より左側にあるとき)
最大値はのときなので,
に
を代入すると, 最大値は
となります。
場合分け②:(軸が定義域の真ん中と一致するとき)
の
なので,
になります。
で同じ値をとるので, 求めやすい方を代入(
を代入)して, 最大値は
となります。
場合分け③:(軸が定義域の真ん中より右側にあるとき)
最大値はのときなので,
に
を代入すると, 最大値は
となります。
場合分けと最大値をとるの値を表にすると以下のようになります。
例題:2次関数の最大値を求めなさい。
この問題で難しいのは, このように最小値と最大値をまとめて問われる場合で, この場合, 最大5パターンに分けます。分け方は, これまで書いてきた最小値と最大値を組み合わせた場合なので, それぞれで場合分けを行った, それ以外で範囲を分けます。すると, 以下の5パターンに分類されます。
軸が入る場所を順に図で表すと以下のようになります。
これが最大5パターンになる分け方です。以下に5パターンを簡単に記しておきます。グラフはイメージを掴むためのもので正確でありません。
場合分け①:のとき
最小値:のとき,
最大値:のとき,
場合分け②:のとき
最小値:のとき,
最大値:のとき,
場合分け③:のとき (軸と定義域の中心が一致するとき)
最小値:のとき,
最大値:のとき,
場合分け④:のとき
最小値:のとき,
最大値:のとき,
場合分け⑤:のとき
最小値:のとき,
最大値:のとき,
以上になります。
以下は定義域が動く場合の場合分けの記事です。
