高校数学:2次関数の場合分け・定義域が動く

こんにちは。相城です。今回は2次関数の最大・最小値の場合分けの定義域が動く場合をお届けします。高校生になってつまづきやすい部分ですので, しっかり学んでくださいね。以下例題を参照しながら話を進めてまいります。

最小値の3パターン

例題:2次関数y=x^2-2x+1\ (a\leqq x\leqq a+2)における最小値を求めなさい。

まず, 平方完成すると,
y=(x-1)^2となり, 軸がx=1であることが分かります。
最小値を考える場合, 定義域が動く場合は定義域全体が, 軸より左側にある場合, 定義域が軸を含む場合, 定義域全体が, 軸より右側にある場合の3パターンで考えます。

場合分け①:a+2<1つまり, a<-1のとき
(定義域が軸x=1より左側にあるとき)
以下の図のようになります。

この場合, 最小値は定義域の右側であるx=a+2のときで, y=x^2-2x+1x=a+2を代入すると, 最小値はa^2+2a+1となります。

場合分け②:a\leqq 1\leqq a+2つまり, -1\leqq a\leqq 1のとき
(定義域が軸x=1を挟み込むとき)
以下の図のようになります。

この場合, 最小値はx=1のときなので, y=(x-1)^2x=1を代入して, 最小値は0となります。

場合分け③:a>1のとき
(定義域が軸x=1より右側にあるとき)
以下の図のようになります。

この場合, 最小値は定義域の左側であるx=aのときで, y=x^2-2x+1x=aを代入すると, 最小値はa^2-2a+1となります。

場合分けと最小値をとるxの値を表にすると以下のようになります。

最大値の3パターン

例題:2次関数y=x^2-2x+1\ (a\leqq x\leqq a+2)における最大値を求めなさい。
まず, 式を平方完成すると,
y=(x-1)^2
となり, 最小値と同じように, 定義域の場合分けを行っていきます。
ただ, 場合分けの方法は, 最小値と全く同じというわけではありません。よく図を見ていると, 定義域の真ん中\left(\dfrac{a+(a+2)}{2}=a+1\right)が, 軸に一致するまで(a+1<1, x=aで最大)と, 軸に一致した(a+1=1, x=0, 2で最大)とき, 軸を通り過ぎたとき(a+1>1, x=a+2で最大)の3パターンで場合分けします。

場合分け①:a+1<1つまり, a<0のとき
(定義域の真ん中a+1が軸x=1より左側にあるとき)
以下の図のようになります。

この場合, 最大値は定義域の左側のx=aのときなので, y=x^2-2x+1x=aを代入すると, 最大値はa^2-2a+1となります。

場合分け②:a+1=1つまり, a=0のとき
(定義域の真ん中a+1と軸x=1が一致するとき)
以下の図のようになります。

この場合, a=0で, 定義域が0\leqq x\leqq 2となり, 最大値はx=0, 2のときになります。したがって, y=x^2-2x+1x=0, 2のどちらか代入し, 最大値は1となります。

場合分け③:a+1>1つまりa>0のとき
(定義域の真ん中a+1が軸x=1より右側にあるとき)
以下の図のようになります。

この場合, 最大値は定義域の右側のx=a+2のときなので, y=x^2-2x+1x=a+2を代入すると, 最大値はa^2+2a+1となります。

場合分けと最大値をとるxの値を表にすると以下のようになります。

最大・最小値の5パターン

例題:2次関数y=x^2-2x+1\ (a\leqq x\leqq a+2)の最大値と最小値を求めなさい。
この問題で難しいのは, このように最小値と最大値をまとめて問われる場合で, この場合, 最大5パターンに分けます。分け方は, これまで書いてきた最小値と最大値を組み合わせた場合なので, それぞれで場合分けを行った, a=-1, 0, 1,それ以外で範囲を分けます。すると, 以下の5パターンに分類されます。

軸が入る場所を順に図で表すと以下のようになります。

これが最大5パターンになる分け方です。以下に5パターンを簡単に記しておきます。グラフはイメージを掴むためのもので正確でありません。

場合分け①:a+2<1つまり, a<-1のとき

最小値:x=a+2のとき, a^2+2a+1
最大値:x=aのとき, a^2-2a+1

場合分け②:a+1<1\leqq a+2つまり, -1\leqq a<0のとき

最小値:x=1のとき, 0
最大値:x=aのとき, a^2-2a+1

場合分け③:a+1=1つまり, a=0のとき

最小値:x=1のとき, 0
最大値:x=0, 2のとき, 1

場合分け④:a\leqq 1<a+1つまり, 0<a\leqq1のとき

最小値:x=1のとき, 0
最大値:x=a+2のとき, a^2+2a+1

場合分け⑤:a>1のとき

最小値:x=aのとき, a^2-2a+1
最大値:x=a+2のとき, a^2+2a+1

以上になります。解法の参考にしてください。

以下は軸が動く場合の場合分けの記事です。

高校数学:2次関数の場合分け・軸が移動する場合

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)