こんにちは。今回は2次関数と2次方程式の解ということで, 2次方程式の解の範囲をグラフ的に捉えて解決していきましょう。最後に数IIでの解法も載せておきます。
【例題】2次方程式が, 次のような解をもつとき, 定数の範囲を求めよ。
(ア) 異なる2つの解がともに1より大きいとき
(イ) 異なる2つの解がともに1より小さいとき
(ウ) 1つの解が1より大きく, 他の解が1より小さいとき
とおく。の関数のグラフと軸との交点が2次方程式の解になることを利用して解いていく。このとき, 関数のイメージとしては以下のようになればよい。
解決方法は次の3つを調べること。
それは, 判別式, 軸, の値。この場合この3つに与えられる条件はグラフから以下のようである。
判別式(異なる2つの実数解を持つ条件)
軸(軸がより右側にあること)
(かつ軸がより右側にあれば, この条件を加えることで解が2つともより右側にあることになる。)
この3つを同時に満たすことで, は軸の1より大きいところで, 異なる2点で交わることになります。つまり, 題の二次方程式の異なる2つの解は1より大きいことになります。
まず, 判別式より, 2で割って因数分解すると,
次に軸に関して,
を平方完成すると, となるので,
軸の式は。
これが1より大きいことが条件なので,
最後に, より, であるから,
,
の共通範囲を求めると,
(答)
(イ)の解法
(ア)の解法同様, グラフを描いてイメージをつかむ。
このとき, 関数のイメージとしては以下のようになればよい。
解決方法は次の3つを調べること。
それは, 判別式, 軸, の値。この場合この3つに与えられる条件はグラフから以下のようである。
判別式(異なる2つの実数解を持つ条件)
軸(軸がより左側にあること)
(かつ軸がより左側にあれば, この条件を加えることで解が2つともより左側にあることになる。)
この3つを同時に満たすことで, は軸の1より小さいところで, 異なる2点で交わることになります。つまり, 題の二次方程式の異なる2つの解は1より小さいことになります。
まず, 判別式より, 2で割って因数分解すると,
次に軸に関して,
を平方完成すると, となるので,
軸の式は。
これが1より小さいことが条件なので,
最後に, より, であるから,
,
の共通範囲を求めると,
(答)
(ウ)の解法
これまでと同様にグラフを描いてイメージをつかむ。
上の図からわかるように, 1つの解は1より大きく, 他の解は1より小さい場合では, の値が負であれば, 題を満たすことになる。したがって, が条件になる。
であるから, , となるので, 求める範囲は,
(答)
考え方は2次関数と2次方程式①と同じで, この①では0より大きい異なる2解だったのが今回は1より大きい異なる2解に変わっただけである。0より小さい異なる2解も同じこと。正と負の解については, 0より大きい解と0より小さい解と言い換えれば, 今回のものは1より大きい解と1より小さい解となっただけである。
TikZ:高校数学:二次関数と二次方程式の解①