高校数学:数III極限・無限等比級数の収束, 発散

こんにちは。今回は無限等比級数の収束と発散について書いておきます。

無限等比級数とは

無限等比級数とは
\displaystyle\sum^\infty_{n=1} ar^{n-1}=a+ar+ar^2+\cdots+ar^{n-1}+\cdotsを無限等比級数という。
aは初項, rは公比

無限等比級数の収束と発散

無限等比級数
\displaystyle\sum^\infty_{n=1} ar^{n-1}において,
a=0のとき, 収束して和は0
a\neq0のとき,
-1<r<1なら, 収束して和は\dfrac{a}{1-r}
r\geqq1, r\leqq-1なら, 発散する。

問題を見てみよう

【例】次の無限等比級数の収束, 発散を調べよ。
(1) 54+36+24+16+\cdots
(2) 3-3+3-3+\cdots
(3) 1+5+25+125+\cdots
(4) \left(\sqrt2+1\right)+1+\left(\sqrt2-1\right)+\left(3-2\sqrt2\right)+\cdots

【解答例】
(1) 36\div54=\dfrac23\cdots(公比r)
したがって, 公比r\dfrac23より, -1<\dfrac23<1なので, これは収束する。
つまり, 初項54, 公比\dfrac23の無限等比級数である。
よって,
\begin{array}{lll}54+36+24+16+\cdots&=&\displaystyle\sum^{\infty}_{k=1}54\cdot\left(\dfrac23\right)^{n-1}\\&=&\dfrac{54}{1-\frac23}\\&=&162\end{array}
\mathrm{162}\cdots(答)
(2) -3\div3=-1\cdots(公比r)
したがって, 公比r-1より, r\leqq-1なので発散する。
発散する。\cdots(答)
(3) 5\div1=5\cdots(公比r)
したがって, 公比r5より, r\geqq1なので発散する。
発散する。\cdots(答)
(4) 1\div\left(\sqrt2+1\right)=\dfrac{1}{\sqrt2+1}=\dfrac{\sqrt2-1}{\left(\sqrt2+1\right)\left(\sqrt2-1\right)}=\sqrt2-1\cdots(公比r)
したがって, 公比r\sqrt2-1より, -1<\sqrt2-1<1なので, これは収束する。
つまり, 初項\sqrt2+1, 公比\sqrt2-1の無限等比級数である。
よって,
\begin{array}{lll}\left(\sqrt2+1\right)+1+\left(\sqrt2-1\right)+\cdots&=&\displaystyle\sum^{\infty}_{k=1}\left(\sqrt2+1\right)\left(\sqrt2-1\right)^{n-1}\\&=&\dfrac{\sqrt2+1}{1-\left(\sqrt2-1\right)}\\&=&\dfrac{\sqrt2+1}{2-\sqrt2}\\&=&\dfrac{\left(\sqrt2+1\right)\left(2+\sqrt2\right)}{\left(2-\sqrt2\right)\left(2+\sqrt2\right)}\\&=&\dfrac{4+3\sqrt2}{2}\end{array}
\dfrac{4+3\sqrt2}{2}\cdots(答)

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