高校数学:数III微分:積の微分のなぜ・3つの積の微分は?

こんにちは。今回は積の微分の公式のなぜを示したいと思います。それではいってみましょう。

積の微分とは

積の微分の公式

積の微分の公式とは以下のようなものである。
\left\{f(x)g(x)\right\}'=f(x)'g(x)+f(x)g'(x)

3つの積の微分の場合は
\left\{f(x)g(x)h(x)\right\}'=f'(x)g(x)h(x)+f(x)g'(x)h(x)+f(x)g(x)h'(x)
となる。

例えば,
(x+3)(2x-5)を微分すると,
\begin{array}{lll}\left\{(x+3)(2x+5)\rigt\}'&=&(x+3)'(2x+5)+(x+3)(2x+5)'\\&=&1\cdot(2x+5)+(x+3)\cdot2\\&=&2x+5+2x+6\\&=&4x+11\end{array}
\sin x\cos xを微分すると,
\begin{array}{lll}\left(\sin x\cos x\right)'&=&\sin x'\cos x+\sin x\cos x'\\&=&\cos^2x-\sin^2x\\&=&\cos2x\end{array}
x(x+3)(2x-5)を微分すると,
\begin{array}{lll}\left\{x(x+3)(2x+5)\rigt\}'&=&x'(x+3)(2x+5)+x(x+3)'(2x+5)+x(x+3)(2x+5)'\\&=&1\cdot(x+3)(2x+5)+x\cdot1\cdot(2x+5)+x(x+3)\cdot2\\&=&2x^2+11x+15+2x^2+5x+2x^2+6x\\&=&6x^2+22x+15\end{array}
このような微分の方法のことをいう。

なぜあの公式なのか

以下になぜそうなるか導いてみた。1行目から2行目への工夫の仕方を学んでほしい。
y=f(x)g(x)として, 導関数の定義にしたがって微分すると,
\begin{array}{lll}\left\{f(x)g(x)\right\}'&=&\displaystyle \lim_{h\to0}\dfrac{f(x+h)g(x+h)-f(x)g(x)}{h}\\&=&\displaystyle \lim_{h\to0}\dfrac{f(x+h)g(x+h)-f(x)g(x+h)+f(x)g(x+h)-f(x)g(x)}{h}\\&=&\displaystyle \lim_{h\to0}\dfrac{\left\{f(x+h)-f(x)\right\}g(x+h)+f(x)\left\{g(x+h)-g(x)\right\}}{h}\\&=&\displaystyle \lim_{h\to0}\left\{\dfrac{f(x+h)-f(x)}{h}\cdot g(x+h)\right\}+f(x)\cdot\displaystyle \lim_{h\to0}\dfrac{g(x+h)-g(x)}{h}\\&=&f(x)'g(x)+f(x)g(x)'\end{array}
以上より,
\left\{(f(x)g(x)\right\}'=f(x)'g(x)+f(x)g'(x)
が成り立つ。

3つの積の微分

y=f(x)g(x)h(x)とするとき, p(x)=f(x)g(x)\cdots\maru1とすると,
y=p(x)h(x)となり, これを先の公式にしたがって微分すると,
\left\{p(x)h(x)\right\}'=p(x)'h(x)+p(x)h(x)'\cdots\maru2
ここで, p(x)'は,
p(x)'=\left\{f(x)g(x)\right\}'=f'(x)g(x)+f(x)g'(x)\cdots\maru3
となる。
\maru1, \maru3\maru2に代入して,
\begin{array}{lll}\left\{f(x)g(x)h(x)\right\}'&=&\left\{f'(x)g(x)+f(x)g'(x)\right\}h(x)+f(x)g(x)h(x)'\\&=&f'(x)g(x)h(x)+f(x)g'(x)h(x)+f(x)g(x)h'(x)\end{array}
よって,
\left\{f(x)g(x)h(x)\right\}'=f'(x)g(x)h(x)+f(x)g'(x)h(x)+f(x)g(x)h'(x)
が成り立つ。



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