高校数学:図形と方程式:2つの接線の接点を通る直線の式の求め方

こんにちは。知っている人は問題ないと思うのですが, 知らないとドツボにはまる可能性があるので, しっかりと学んでおいてください。それでは例題を解きながら見ていきましょう。

例題

【例題】点\mathrm{P}( 3, 1 )から円x^2+y^2=5に引いた2本の接線と円の接点をそれぞれA, Bとするとき, 直線ABの式を求めよ。

解答例

この単元を習ったばかりでこの問題に出くわすと, ほとんどの人が接点A, Bを求めようとする。基本はそれでもいいのだが, 少ししんどいことも起こるので, 先ずは何も知らないということで, 接点A, Bを求めてから答えを導いてみようと思う。
【解答例】
接点を( s, t )とおくと, 接線の式は, sx+ty=5と表される。
これが, \mathrm{P}( 3, 1 )を通るので,
3s+t=5\cdots\maru1
となる。
また, ( s, t )は円上の点なので,
s^2+t^2=5\cdots\maru2
が成り立つ。
\maru1より, t=5-3sとなり, これを\maru2に代入すると,
s^2+(5-3s)^2=5
整理して,
s^2-3p+2=0
(s-1)(s-2)=0
よって, s=1, 2
s=1のとき, t=2,
s=2のとき, t=-1
よって, 接点A, Bの座標は, (1, 2), (2, -1)となる。
この2点を通る直線の式は,
3x+y=5
となる。

続いてこの問題

【例題】点\mathrm{P}( 3, 4 )から円x^2+y^2=3に引いた2本の接線と円の接点をそれぞれA, Bとするとき, 直線ABの式を求めよ。

先ほどは接点の座標が整数で出てきたのですが, 今回はそうではないというとき, どうするのか。ちょっと従来通りの解き方でやってみる。
【解答例】
接点を( s, t )とおくと, 接線の式は, sx+ty=3と表される。
これが, \mathrm{P}( 3, 4 )を通るので,
3s+4t=3\cdots\maru1
となる。
また, ( s, t )は円上の点なので,
s^2+t^2=3\cdots\maru2
が成り立つ。
\maru1より, s=\dfrac{3-4t}{3}となり, これを\maru2に代入すると,
\left(\dfrac{3-4t}{3}\right)^2+t^2=3
整理して,
25t^2-24t-18=0
これを解くと…?解くんですか?ってなりますよね。
面倒極まりないです。
実はこの手の問題には公式というか解法があるのです。以下にそれを示します。
【解法】
接点Aの座標を\mathrm{A}(x_1, y_1)とすると, 接線の式は
x_1x+y_1y=3\cdots\maru1
接点Bの座標を\mathrm{B}(x_2, y_2)とすると, 接線の式は
x_2x+y_2y=3\cdots\maru2
と表される。\maru1, \maru2はともに, \mathrm{P}( 3, 4 )を通るので,
3x_1+4y_1=3\cdots\maru3
3x_2+4y_2=3\cdots\maru4
と表される。このとき, \maru3, \maru4から, 接点\mathrm{A}(x_1, y_1), \mathrm{B}(x_2, y_2)の座標は, 直線3x+4y=3上にあると見ることができる。したがって求める直線の式は,
3x+4y=3
となる。

2接線の2つの接点を通る直線の式

【公式】点\mathrm{P}( p, q )から円x^2+y^2=r^2に引いた2本の接線と円の接点をそれぞれA, Bとするとき, 直線ABの式は,
px+qy=r^2
で与えられる。

これを知っていれば, 初めの例題も3x+y=5とすぐに出せますね。

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