高校数学:数C複素数:虚軸を動くとき・実軸を動くときの式変形

こんにちは。複素数の所では有名な考え方ですので, しっかりと身に付けておきましょう。例題を解きながら見ていきましょう。最後に入試問題おいてますのでリンクからたどってやってみてください。

例題

【例題】2つの複素数\, \omega, z\omega=\dfrac{iz}{z-2}を満たしている。ただし, iは虚数単位とする。このとき, 次の問いに答えよ。
(1) 複素数平面上で点zが虚軸上を動くとき, 点\omegaはどのような図形を描くか。
(2) 複素数平面上で点\omegaが実軸上を動くとき, 点zはどのような図形を描くか。

方針

【(1)の方針】
zが虚軸上を動く\to z=-\overline{z}が成り立つので, これを用いて式変形
例えばz=2iなら, -\overline{z}=-(-2i)=2iとなりzと等しい。
【(2)の方針】
\omegaが実軸上を動く\to \omega=\overline{\omega}が成り立つので, これを用いて式変形
例えば\omega=3なら, \overline{\omega}=3となり\omegaと等しい。
この2点が攻略のカギになる。

解答例

【解答例】
(1) \omega=\dfrac{iz}{z-2}より,
\omega(z-2)=iz
\omega z-2\omega=iz
z(\omega-i)=2\omega
z=\dfrac{2\omega}{\omega-i}
\omega\neqiとして, z=-\overline{z}より,
\dfrac{2\omega}{\omega-i}=-\dfrac{2\overline{\omega}}{\overline{\omega}+i}
2\omega(\overline{\omega}+i)=-2\overline{\omega}(\omega-i)
4\omega\overline{\omega}+2\omega i-2\overline{\omega}i=0
両辺4で割って
\omega\overline{\omega}+\dfrac12\omega i-\dfrac12\overline{\omega} i=0
\left(\omega-\dfrac12i\right)\left(\overline{\omega}+\dfrac12i\right)=\dfrac14
\left|\omega-\dfrac12i\right|=\dfrac12
よって, 中心\dfrac12i, 半径\dfrac12の円。ただし, iを除く。
(2) \omega=\dfrac{iz}{z-2}より,
\omega=\overline{\omega}なので,
\dfrac{iz}{z-2}=-\dfrac{i\overline{z}}{\overline{z}-2}
両辺iで割って整理する。
z(\overline{z}-2)=-\overline{z}(z-2)
2z\overline{z}-2z-2\overline{z}=0
両辺2で割って
z\overline{z}-z-\overline{z}=0
(z-1)(\overline{z}-1)=1
\left|z-1\right|=1
よって, 中心1, 半径1の円。ただし, 2を除く。

解法のコツ

解法のコツ

\maru1 zが虚軸上を動く\to z=-\overline{z}が成り立つので, これを用いて式変形
例えばz=2iなら, -\overline{z}=-(-2i)=2iとなりzと等しい。

\maru2 zが実軸上を動く\to z=\overline{z}が成り立つので, これを用いて式変形
例えばz=3なら, \overline{z}=3となりzと等しい。

この2点が攻略のカギになる。

関連入試問題

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