令和6(2024)年度徳島県公立高校入試:数学の問題の雑感

こんにちは。受験生の皆さんお疲れ様でした。それでは振り返ってみましょう。

大問1:小問:中1~中3レベル

まず最初の問題ですが, (1)負の数の加法(中1レベル), (2)一次式の計算(中1,中2レベル), (3)平方根の計算(中3レベル), (4)正四面体の辺の数(中1レベル), (5)因数分解(中3レベル), (6)対称な式を求める(中2レベル), (7)y=ax^2の変域(8)資料の整理に関する問題(中1レベル), (9)三平方の定理(中3レベル), (10)確率(中2レベル)と中1から中3までバランスよく出題されています。(6)に対称な式がまた出題されていましたね。過去問研究していた人は得点できたかと思います。(8), (9), (10)と小問ではありますが, ある程度の思考を問う問題でした。感想としては, 単純作業にならないように工夫がなされていたと思います。数学が苦手でもここの問題は, 半分以上は正解したいところです。

大問2:放物線:中3レベル

日常を題材としたyxの2乗に比例する関数の問題。問題の内容自体は似たものが数学演習にあったと思います。(1), (2)は数学が苦手でも落としたくないですね。(3)は座標を文字置きして二次方程式を解く問題。(4)は記述式問題です。(4)をうまく表現できる生徒は数学が得意な生徒でしょうね。レベル的には標準レベルです。

大問3:規則性:中1レベル

日常を題材とした規則性の問題。(1)ア, イ, (2)ウは数学が苦手でも落としたくないですね。エはn段目の本数をnを使って表すことができたなら, 比較的平易に解けたかもしれませんね。エができた生徒は, 最後の問題もできるでしょう。ただ, 最後は2で割るのを忘れないように。レベル的には標準レベルです。

大問4:一次関数:中2レベル

一次関数の問題。いつか出ると思っていましたが, まさか関数2題もってくるとは思っていませんでした。問題としては, (1)は数学が苦手でも取りたいですね。(2)は正方形の対角線の傾きが-1(xの増加量とyの増加量が等しく, 右下がり)であることを読み解くか, Fの座標を求めて解くかのどちらかだと思います。(3)は回転体の体積ですが座標をどうひろうか戸惑った生徒はいたかもしれません。(4)は折れ線の最短距離の問題で, 徳島県では過去に何度かこの手法の問題は出題されています。標準レベルの問題構成で, 数学が好きな生徒は楽しく解けたのではないでしょうか。

大問5:平面図形:中3レベル

平面図形の問題。(1), (2)(a)は数学が苦手でも取りたいですね。残りは数学の得意な生徒用ですね。(2)は証明(a)で合同条件の記述。(b)でそれを使った相似の証明という新たなパターン。(3)の面積は相似比の2乗の面積比から△OEBの面積を求めて, 面積比で求める問題です。(4)は比を合わせたらすんなり解ける問題ですね。ただ, 問題に慣れてないと着想ができなかったかもしれません。これも標準レベルの問題です。

総評

特筆すべきは, 記述問題があっとこと, 関数が大問で2題出題されたこと, 連立方程式が出題されなかったことでしょうか。個人的には大問の平面図形の中に三平方の定理がなかったのが寂しかったです。全体的には難問という難問はなく, 日常を題材とした問題が2題あり, 標準レベルの問題構成だったように思います。今後も日常を題材とした問題の出題は続くと思います。また, 中1レベルから中3レベルまでまんべんなく出題されている印象を受けました。大問3は2ページありますが, 大半は図なので問題ないでしょうし, かいてある雰囲気からちょっと取り組んでみようと思えたはず。ですから, ここでの大きな失点はないと私は見ています。過去問から似たような問題の出題がいくつかあり, 過去問対策は必要だと感じました。平均点は55点(希望)ぐらいあればいいでしょう。
皆さんにとって, 今年の入試はいかがでしたか?

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