こんにちは。結構有名な原理なので知らない人は知っておきましょう。
連立方程式を解いていて, 余計な答えが求まった。そんな経験はありませんか?
例えば以下の連立方程式を解いてみましょう。
これを解くときに, をに代入して,
となり,
を得る。
ここまでは, いつも通りなんですが,
このの値をに代入するのか, に代入するのかで, 答えが変わってくるんですよね。
に代入した場合,
をに代入すると,
をに代入すると,
よって, 求める解は,
の2解となる。
次にに代入した場合,
をに代入すると, となり, ,
をに代入すると, となり,
となる。
よって, 求める解は,
の4解となる。
???
どちらが正しいの?ってなりますが, 冷静に考えてみると,が正しいですね。の解にはを満たさないものまで含まれています。
これをきちんと理解していくのが代入性の原理というものです。
同値性を意識して式を見ていきましょう。解が求められる場合,
をに代入した場合,
となり, これからこの, の組み合わせから, , の式は作れますし, 逆もまたいえることができます。すなわち同値性が保たれていることになります。
しかし,
をに代入し,
とした場合, これからこの, の組み合わせから, , の式は作れますが, , からは, , を再現できません。すなわち同値性は保たれていないことになります。
, は, であるための必要条件になっている。
このことから, , で解いた答えには, 余計なものが含まれている可能性があるため, に代入して十分性を確認する必要があります。
代入性の原理
代入した元の式と, 代入した式が残ることで, 同値性を確保することができる。
これが代入性の原理の正体であります。