TikZ:高校数学:数C複素数:αのn乗根の求め方

こんにちは。今回は複素数の問題で\alphan乗根の求め方について書いておきます。例題を解きながら見ていきましょう。

αのn乗根を求めよう

【例】1の6乗根を求めよ。
【解法】求める複素数を
z=r(\cos\theta+i\sin\theta)とおく。ただし, ( r>0, 0\leqq\theta<2\pi)
このとき, zを6乗すると,
\begin{array}{lll}z^6&=&\left\{r( \cos\theta+i\sin\theta)\right\}^6\\&=&r^6(\cos6\theta+i\sin6\theta)\cdots\maru1\end{array}
ここで, 1を極形式で表すと,
1=1\cdot(\cos0+i\sin0)\cdots\maru2
\maru1=\maru2なので,
r^6(\cos6\theta+i\sin6\theta) = 1\cdot(\cos0+i\sin0)
これより,
r^6=1
6\theta=0+2k\pi (kは整数)
r>0より, r=1
0\leqq\theta<2\piより, 0\leqq6\theta<12\piなので, 0\leqq2k\pi<12\pi。これを満たすkの値は, k=0, 1, 2, 3, 4, 5
このとき\thetaは,
6\theta=0, 6\theta=2\pi, 6\theta=4\pi, 6\theta=6\pi, 6\theta=8\pi, 6\theta=10\piとなるので,
\theta=0, \dfrac{\pi}{3}, \dfrac{2}{3}\pi, \pi, \dfrac{4}{3}\pi, \dfrac{5}{3}\pi
したがって求める複素数は,
\begin{array}{lll}1& : &1(\cos0+i\sin0)\\\dfrac12+\dfrac{\sqrt3}{2}i& :& 1\left(\cos\dfrac{\pi}{3}+i\sin\dfrac{\pi}{3}\right)\\-\dfrac12+\dfrac{\sqrt3}{2}i &: &1\left(\cos\dfrac{2}{3}\pi+i\sin\dfrac{2}{3}\pi\right)\\-1& : &1(\cos\pi+i\sin\pi)\\ -\dfrac12-\dfrac{\sqrt3}{2}i& :& 1\left(\cos\dfrac{4}{3}\pi+i\sin\dfrac{4}{3}\pi\right)\\\dfrac12-\dfrac{\sqrt3}{2}i& : &1\left(\cos\dfrac{5}{3}\pi+i\sin\dfrac{5}{3}\pi\right)\end{array}
(答) 1, \dfrac12+\dfrac{\sqrt3}{2}i, -\dfrac12+\dfrac{\sqrt3}{2}i, -1, -\dfrac12-\dfrac{\sqrt3}{2}i, \dfrac12-\dfrac{\sqrt3}{2}i
複素数平面上で解の配置を見ると正六角形になっています。

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n乗根の求め方

\maru1 z=r(\cos\theta+i\sin\theta) ただし, (r>0, 0\leqq\theta<2\pi)とおく。
\maru2 z^n\maru1を用いて極形式で表す。
\maru3 z^n=\alpha\alphaを極形式で表す。
\maru4 \maru2=\maru3として, (極形式)=(極形式)とする。
\maru5 \maru4で絶対値と偏角を比べ求める。偏角は2\piの整数倍を加えるのを忘れずに。
\maru6 \maru5で求めた絶対値と偏角を用いてzを求める。

n乗根の解の配置

n乗根の解の配置は複素数平面上で正n角形をつくる。

最後に例題をもう一題やって終わりにしましょう。
【例】z^3=8iを満たす複素数zを求めよ。
【解法】
上の流れに沿ってみましょう。
z=r(\cos\theta+i\sin\theta)とおく。ただし, r>0, 0\leqq\theta<2\pi
z^3=r^3(\cos3\theta+i\sin3\theta)
8i=8\left(\cos\dfrac{\pi}{2}+i\sin\dfrac{\pi}{2}\right)
r^3(\cos3\theta+i\sin3\theta)= 8\left(\cos\dfrac{\pi}{2}+i\sin\dfrac{\pi}{2}\right)
r^3=8より, r=2
3\theta=\dfrac{\pi}{2}+2k\pi
0\leqq\theta<2\piなので, 0\leqq3\theta<6\piより, 0\leqq\dfrac{\pi}{2}+2k\pi<6\pi
これを満たすkk=0, 1, 2
このとき, \thetaを求めると,
\theta=\dfrac{\pi}{6}, \dfrac{5}{6}\pi, \dfrac{3}{2}\pi
よって求める複素数zは,
2\left(\cos\dfrac{\pi}{6}+i\sin\dfrac{\pi}{6}\right)=\sqrt{3}+i
2\left(\cos\dfrac{5}{6}\pi+i\sin\dfrac{5}{6}\pi\right)=-\sqrt{3}+i
2\left(\cos\dfrac{3}{2}\pi+i\sin\dfrac{3}{2}\pi\right)=-2i
以上より
(答) \sqrt{3}+i , -\sqrt{3}+i ,  -2i
複素数平面上で解の配置を見ると正三角形になっています。

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