こんにちは。相城です。方程式を違った角度から見てみようというのが今回の目標です。それではどうぞ。
中1の方程式
という方程式
この場合、左辺のと右辺のが釣り合う(等しい)の値を求める。
中2の連立方程式
文字を1つ消去して次元を下げる。その方法に
(i)加減法、(ii)代入法がある。
ここでは、グラフ的見方で捉えてみます。
二元一次方程式⇒(変形)⇒一次関数
結論から言うと二元一次方程式と一次関数は同じである。
を変形するとの一次関数の直線の式が得られる。その直線上の点、 すなわち直線の座標はすべてを満たす。すなわちの座標は を満たす。よっての解の集合も直線を表す。
連立方程式とは、異なる2直線の交点を求める作業なのである。
図1は以下の普通の連立方程式を表す。
連立方程式の定数項(一次関数でいう切片)が違うだけの場合を不能(図2)という。
不能(解なし)
連立方程式の2式が同値の場合は不定(図3)という。
不定(解無数)
ただ、不定でもなどとおける場合は、 その解をとして扱う場合がある。ただ中学生ではその扱いはしない? と思うのでここでは紹介だけにとどめておく。
中3の二次方程式
解法 (i)因数分解、(ii)平方完成、(**)解の公式がある。
二次方程式の一般式は次式で与えられる。
ここでこの解は、解の公式より次式で与えられる。
方程式的見方
まず左辺を平方完成させて変形していくと
両辺で割って、
これでが得られました。
中学生では、二次方程式を因数分解したときとなり、これを満たす条件として、 またはになるを求めている。少し極端な言い方ですが、有理数の範囲で因数分解できないとき、解の公式を使えば答えが出てくる。 ただし、中学生は高校生の範囲の因数分解はできないので、解の公式が役に立つ場合が多いと考える。ただしなどは移項する方が簡単なのは言うまでもない。 また、の根号中のは負となることは中学の間ではない。 このことは後述するグラフ的見方において重要な役割を果たす。
補足(グラフ的解釈)
詳しくは高校生で学習してください。
の2つの解をとすると、この,は何を表しているのでしょうか。
もちろん二次方程式で、またはを式に代入すれば0になります。
ここでは中学生の範囲を超えてグラフの交点として考えてみます。
を左辺と右辺で式に分けてみます。それぞれとおくと、
ここでは二次関数(放物線)、はグラフ軸の軸を表します。
を平方完成すると
となり、グラフに表すと図4のようになる。ここではとしてグラフを表す。
この(二次関数)と()との交点が、解の公式で与えられるものそのものである。
また、解の公式の根号中のが次のようになると、解の個数が分かる。
解2個(軸との交点が2個存在)
解1個(軸と接する。交点が1個存在)
解0個(軸とは交わらない。実数解は存在しない)
またグラフの頂点を見ても分かるように、ならとも併せて、頂点の座標はとなり、頂点はより下になる。の場合はより上になる。
このは判別式と言ってかなり活躍するので、高校生になったらぜひ活用していただきたい。
図5にのグラフを書いてみました。とおくととなる。グラフ的な見方を利用すると、中1の方程式を考えると、実は2直線の交点の座標だったりするのですね。面白いものです。