中学数学:攻略・文字を使った説明

こんにちは。相城です。さて, 今回は文字式の利用問題の攻略です。一度お話ししましたが, 追記内容と思っていただけたらと思います。

文字式の威力

文字式の説明の攻略は後述するとして, 文字式って言うのはいかに便利か少し書いてみることにします。
例えば偶数ってどんな数字ですか?という問いに対して,
A君は4, B君は100, C君は2の倍数と答えたとします。さて, どれが最もスマートな解答でしょうか。
言うまでもありません。 C君です。C君の解答は4も100も補うことができる回答だからです。
くどいようですが, A君, B君の解答ではそれ以外の数を示すときは, また口に出して言わなくてはいけないのに対し,
C君の回答では, その必要がないのです。2の倍数にはすべての偶数が含まれることになるからです。
2の倍数とは九九算では, 2の段のことですから,

    \[2\times1,  2\times 2,  2\times 3,  2\times 4,  \cdots\]


となり, 1, 2, 3, 4, \cdotsと変わるところを文字で置くので, 2の倍数というものを, 整数を表す文字nをつかって表すと, 2nとなります。

この2nで, すべての偶数をカバーできるというのは凄いことですよね?

ですから, 小学校のときにやった,

2+4=(偶数)
4+8=(偶数)
6+8=(偶数)

だから偶数と偶数の和は偶数といったことが, より厳密に説明できるようになるんです。

上の説明では2つの偶数の和が偶数になることを説明するのには, 不十分なんですね。

なぜかというと, さっきのA君, B君の答えのように, じゃ1億と2億を足したらどうなるの?とか, 3兆2と2226を足したらどうなるの?とかいう問いにいちいち答えなくてはいけないからです。

しかし, C君の答えのように2の倍数という言葉をつかって, 偶数と偶数の和が偶数になることを説明すると, 2の倍数と2の倍数の和は2の倍数となることを言えば, すべての2の倍数(偶数)において説明できることになるんです。

これが, 文字式の威力です。

したがって, 2つの偶数の和が偶数になることを説明すると,

m, nを整数とすると,
2つの偶数は2m,\ 2nと表される。
それらの和は,
2m+2n=2(m+n)
よって, 2\times(整数)となるので, 2つの偶数の和は偶数である。

このように, 説明できて, 小学校のとき, 他の数字はどうなるんだろうって言う疑問が解消されることになるんです。

2つの偶数を表すとき, 文字をなぜ2つ使わないといけないか疑問に思った方はこちらのページに書いてありますので,
ご参照ください。

攻略法

では以下にに攻略法をまとめました。

文字式の利用問題の攻略
式変形の最終形は問題文にあり
下の文字を使った説明の流れの④で, 式変形の形は問題文に書いてあるのでその形に変形できなければ, 途中の計算式が間違っているか, 式変形の方法が間違っている場合が多い。

文字を使った説明の流れ
  1. 使う文字の設定(自然数か整数なのか)
  2. 問題にあった式を作る
  3. 計算
  4. 問題にあった式変形
  5. 文で締めくくる

概ねこの解法で大丈夫だと思われる。ただし, レベル的には公立高校レベルだと思う。

例題を見てみよう

以下例題を見てみよう。中3内容もあります。

例題①

5で割って3余る数と, 5で割って2余る数の和は5で割り切れることを説明しなさい。

式の変形

5で割り切れることを説明\cdots5\times(整数)の形に変形

解法

m, nを整数とすると,
5で割って3余る数は5m+3, 5で割って2余る数は5n+2と表せる。
その和は
(5m+3)+(5n+2)
=5m+5n+5
=5(m+n+1)
よって, 5\times(整数)より, 5で割り切れる。

例題②

連続する3つの奇数において, 一番大きい奇数の平方から一番小さい奇数の平方を引くと, 真ん中の奇数の8倍になることを説明しなさい。

式の変形

真ん中の奇数の8倍になる\cdots8\times(真ん中の奇数)の形に変形

解法

nを整数とすると,
連続する3つの奇数は2n+1, 2n+3, 2n+5と表せる。
題意より,
(2n+5)^2-(2n+1)^2
=4n^2+20n+25-4n^2-4n-1
=16n+24
=8(2n+3)
よって, 8\times(真ん中の奇数)より, 題意は満たされた。

中学数学:文字を使った説明

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