短編小説:月謝はどこに消えた?

お疲れ様でした。教室内に響く掛け声、何事の無かったかのように一日が終わっていく。そんな日々を送っているとある塾の講師陣。ただ、そこには、隠れた魔物が住んでいるとは知らず。
講師Aはいつものように授業を終えて、生徒と談笑していた。生徒がふと「先生これっ」て月謝袋を手渡した。その月謝袋には現金が2万円入っていた。講師Aは月謝を預かったが、預かった月謝を本部に持ち帰るのを、責任者である講師Bに託した。責任者は本部で会議があるからだ。そこで、責任者が本日の残務整理をする。こういったことは、この塾では慣例であった。多いときでは数人分の月謝を託されることがあった。もちろん本部に寄って、直接塾長に月謝を手渡す人もいるのだが。
そんなある日、おかしなやり取りが出始める。塾長が「〇〇さんのところの5月分の月謝が未納なんだけど、どうなってるの?」ただ、この声が届くのは責任者までで下部の先生に届くことはなかった。責任者である講師Bは相手は払ったって言ってますよと、塾長に伝える。塾長は「???おかしいな。こっちの伝票には入金の記載がなんだけど。」と答えるしかなかった。そのようなやり取りが繰り返される中で、ある共通点に気づくことになる。講師Aの担当の生徒の月謝だけが未納になっているのだ。塾長が「どうなってるのか聞いといて」と言ってもその声が講師Aに届くことはなかった。その声は講師Bによって遮断された。やがて、廊下で別の講師C、Dが話しているのを別の講師Eが聞くことになる。講師Eが「何の話してるの?」って聞くと、講師Cは「月謝が入らないんだって。それもA先生が担当する生徒の月謝だけが。」講師D「何だかあやしいよね。」
やがて、一身上の都合で講師Aは退社していくことになった。講師Aは講師陣のの中では月謝泥棒という汚名を着て退社したことになった。これで悲劇は終わったかのように思えたが、その背景を知らない別の講師Fが餌食になっていくことになる。やがてその講師Fも一身上の都合で退社することになるのだが・・・。講師Bは今日も授業終わりに「月謝預かっていこうか。」そう言って講師たちに声をかけて回るのであった。(了)

誤解を招くといけないので一言:伸学舎とは一切関係ございません。あくまでも推理です。素直に楽しんでください。
感想:小説ってこんなんもんじゃないね?小説になってる?やはり小説を書くのは難しい。

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