高校数学:否定・逆・裏・対偶について

こんにちは。相城です。今回は命題の否定・逆・裏・対偶について書いておきます。覚えるポイントだけ書いていきますね。

否定

その名の通り, 命題を否定したものを言います。
ただなんでも, ~ではないと否定すればいいというものではなく, 反対を表す言葉があればその語句を使って否定するのが一般的です。
例:「xは3の倍数である」の否定は「xは3の倍数でない」
例:「xは偶数である」の否定は「xは奇数である」
例:「xは有理数である」の否定は「xは無理数である」

次の否定の方法は押さえておきましょう。
-2<x<3」の否定を考えてみる。
これは「-2<xかつx<3」という意味なので, 否定すると「-2\geqq xまたはx\geqq 3」となります。ちなみに, 「かつ」の否定は「または」, 「または」の否定は「かつ」になります。
「かつ」と「または」の意味はこちらをご覧ください。

中学校で習ったのと同じです。仮定と結論を入れ替えたものを逆といいます。
例:nは4の倍数\Longrightarrow nは偶数
逆:nは偶数\Longrightarrow nは4の倍数
この逆は偽(反例n=2)

命題を否定したものを裏といいます。
例:nは4の倍数\Longrightarrow nは偶数
裏:nは4の倍数でない\Longrightarrow nは奇数
この裏は偽(反例n=2)

対偶

逆の否定を対偶といいます。
例:nは4の倍数\Longrightarrow nは偶数
逆:nは偶数\Longrightarrow nは4の倍数
対偶:nは奇数\Longrightarrow nは4の倍数でない
この対偶は真

真偽の一致

命題と対偶の真偽は一致します。
逆と裏の真偽は一致します。

対偶を用いた証明

命題と対偶の真偽が一致するので, 命題を証明するのに, 対偶を証明することがあります。
【例題】
命題:a, bを整数とする。abが奇数ならば, aまたはbが奇数である。
対偶:a, bを整数とする。aかつbが偶数ならば, abは偶数である。
証明:この命題の対偶は
a, bを整数とする。aかつbが偶数ならば, abは偶数である。
これを命題Aとして証明する。
m, nを整数とすると, a=2m, b=2nと表せる。
このとき, ab=4mn=2\cdot2mn
となり, これは偶数である。
したがって, 命題Aは真である。
よって, もとの命題も真である。

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