TikZ:数学:三角形の内接円の半径の求め方

こんにちは。相城です。今回は三角形の内接円の半径の求め方を書いておきます。

例題をやってみよう

3辺の長さがa=7, b=5, c=8で, A=60^{\circ}である三角形ABCに内接する円の半径を求めなさい。

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内接円の半径は各辺に垂直

内接円の半径をrとすると, rは次の図のように, 各辺に垂直(接線と接点を通る円の半径のつくる角は90^{\circ})になります。

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方針
上の図のr(赤の線分)を求めるのに, △ABCの面積を求めます。
次に, △ABCの面積は△IAB, △IBC, △ICAの面積の和としても求められます。このとき, rは△IAB, △IBC, △ICAの高さになっているので, この3つの三角形の面積をrを用いて表し,
△IAB+△IBC+△ICA=△ABC
として方程式をつくり, rを求めます。

解説と解答

【解答例】
△ABCの面積S
S=\dfrac12\cdot8\cdot5\sin60^{\circ}=10\sqrt3\cdots\textcircled{\scriptsize1}
ここで
△IAB=\dfrac12\cdot c\cdot r=4r
△IBC=\dfrac12\cdot a\cdot r=\dfrac72 r
△ICA=\dfrac12\cdot b\cdot r=\dfrac52 r
S=△IAB+△IBC+△ICA
S=4r+\dfrac72 r+\dfrac52 r=10r\cdots\textcircled{\scriptsize2}
\textcircled{\scriptsize1}=\textcircled{\scriptsize2}なので,
10r=10\sqrt3
r=\sqrt3
よって, 内接円の半径は\sqrt3

このとき, 今回は分かりやすいように, 3つの三角形(△IAB, △IBC, △ICA)を分けて求めましたが, 理解が深まると, 3つの三角形(△IAB, △IBC, △ICA)の和は次の式で得られます。
S=\dfrac12 r(a+b+c)・・・(覚えておくと便利)
今回の問題であれば
S=\dfrac12 r\times(7+5+8)=10r
計算が少し楽ですね。

流れをつかんでおこう
  1. 円に外接する三角形の面積を求める。S=\dfrac12 ab\sin\theta\cdots(A)
  2. 内接する円の半径をr(文字)として, 内心と三角形の頂点を結んでできる3つの三角形の和をr(文字)で表す。S=\dfrac12 r(a+b+c)\cdots(B)
  3. (B)=(A), つまり,\dfrac12 r(a+b+c)=\dfrac12 ab\sin\thetaとしてrを求める。

3辺に未知数の辺があるとき
円に外接する三角形に長さがまだわかっていない辺を含むときは, 余弦定理などで求めてから, この解法に持ち込むといいでしょう。


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