こんにちは。今回は対数を含む不等式で底が1より小さい正の数のとき, なぜ不等号の向きが変わるのか。それについて触れておきたいと思います。
まず底が1より大きい場合の例をやってみます。
【例】を解け。
【解法】問題が聞いていることは, のグラフで1より大きいい範囲を求めなさいということです。以下グラフと合わせながら見ていきます。
真数条件より
与式は, と考えることができます。
のグラフは以下のようで, は青印のところ。不等号はそれより大きい部分を求めているので, より大きい範囲になります。したがって, 。真数条件と合わせて(答)
不等号の向きが変わらないのは, グラフが単調増加(ずっと右上がりのグラフ)だからです。
ですから底が1より大きいとき, 真数条件の考慮をして, 単純にとできます。
次に底がになるとどうなるか見ていきます。
【例】を解け。
【解法】問題が聞いていることは, のグラフで1より大きいい範囲を求めなさいということです。以下グラフと合わせながら見ていきます。
真数条件より
与式は, と考えることができます。
のグラフは以下のようで, は青印のところ。不等号はそれより大きい部分を求めているので, より小さい範囲になります。したがって, (不等号の向きが変わった)。真数条件と合わせて, (答)
不等号の向きが変わるのは, グラフが単調減少(ずっと右下がりのグラフ)だからです。
ですから底が1より小さい正の数のとき, 真数条件の考慮を入れたとしても, 単純にとはなりません。
このように底が1より小さいとグラフが右下がりになるので, 不等号の向きが逆になります。その点注意が必要ですね。では。