こんにちは。今回は3次関数の接線の傾きは3次関数を微分して得られる2次関数の式の値であるということを確認しながら問題を解いてみたいと思います。言いたいことは後半に書いてあるのでよろしくお願いします。
【例】上の点における接線の式を求めよ。また, 直線と異なる接線で, 直線と平行な接線との接点を求めよ。
【解法】になるので,
接線の傾きは。よって求める接線の式は,
続いて, 接点の座標を一般的な解法で解いてみることにする。
直線と平行な接線は傾きが9なので,
接点の座標をとおくと,
よってもう1つの接点の座標は1と分かる。
これより, もう1つの接点の座標は(1, 4)
ここで, この解法ではない解法で(1, 4)を導きたい。今回書いておきたいのはこちらの方です。
それはは接線の傾きを表す関数であることです。
したがって, を平方完成してグラフを描くと
ここで縦軸のは接線の傾きの値を表し, 横軸のは関数の接点を表すので, 傾きが9となる点は, として, との交点を読み取ることと同じである。このとき, 既知の接点はの軸から左に2離れているので, グラフの対称性から同じ傾きを持つ接点は軸から右に2進んだところなのでとなる。
このようにして, 2次方程式を回避し容易にもう1つの接点の座標を見つけることができる。ここで, グラフ内の点Pの座標はの変曲点における接線の接点の座標と傾きを表し, これは変曲点における接線の傾きが最小(放物線が上に凸なら最大)であることを意味している。 そして, 変曲点における接線と同じ傾きを持つ接線は他にないこと, のグラフの特徴から, この変曲点における接線の傾き()より大きな傾きを持つ接線は必ず2本できることがわかり, その接点は変曲点について対称であることが読み取れる。