こんにちは。今回は確率の問題で, 〇回目に勝負がつくという類の問題をやってみようと思います。例題を解きながら見ていきましょう。
勝負が付く一歩手前を考える
【例】テニスの試合で, A, Bの2人が最大で5回の試合をすることになり, どちらかが先に3勝した方が勝ちで, それ以降の試合はしないことに決めました。この試合においてAがBに勝つ確率はで, BがAに勝つ確率はであるとするとき, 5試合目でAが勝つ確率を求めよ。
【解法】まずこの手の問題でよくやる誤答を書いておきます。
※よくやる失敗
この式の作り方は間違いなんです。
なぜかと言うと, これには5試合目まで試合をする保証がないんです。この確率には1試合目から3試合目まで連続して勝って, 残り4試合目, 5試合目を負けるという, 5試合目までに勝負が決まってしまう場合も含んでいるからです。
これを回避するには, 4試合目までで勝負が決まっていないことが前提になります。
つまり, 4試合目までA, Bの勝敗は2勝2敗であることが大前提になるのです。そして, 5試合目でAが勝つことにすればいいんです。
したがって, 4試合目までの確率は,
これに5試合目にAが勝てばいいので,
求める確率は,
(答)
もう少し例題を見てみましょう。
〇個目取り出す一歩手前を考える
【例】赤玉6個, 白玉3個が入った袋から, 玉を1個取り出し, 色を調べてからもとに戻すことを7回繰り返すとき, 7回目に3個目の赤玉が出る確率を求めよ。
【解法】7回目に3個目の赤玉が出なければいけないので, 6回目までに赤玉2回, 白玉4回出ていなければいけない。
赤玉を取り出す確率は, 白玉を取り出す確率はであるから,
6回目までに 赤玉2回, 白玉4回出ている確率は,
したがって, 7回目に3個目の赤玉を引く確率は,
(答)
次はちょっとした応用問題を見てみましょう。
〇個目取り出す一歩手前を考える
【例】 赤玉6個, 白玉3個が入った袋から, 玉を1個取り出し, 色を調べてからもとに戻すことを7回繰り返すとき, 4回目に2個目の赤玉が出て, 7回目に4個目の赤玉が出る確率を求めよ。
【解法】4回目に2個目の赤玉が出るということは, 3回目までに赤玉1個, 白玉2個が出ていることになるので,
3回目までの確率は
4回目は赤玉が出るので, 4回目までの確率は,
7回目に4個目の赤玉ということは, 5回目, 6回目のどちらかで, 赤玉を1回取り出すことになるので, 5回目, 6回目の確率は,
より, 6回目までの確率は,
したがって, 7回目に4個目の赤玉が出る確率は,
(答)