高校数学:数列:複雑な数列(等比系)の和の求め方

今回は複雑な数列の和を求めてみましょう。例題を解きながら見ていきましょう。

複雑な数列の和の求め方

【例題】\displaystyle\sum_{k=1}^{n}(2k-1)\cdot5^{k-1}の値を求めよ。
【解法】
求める値をSとすると,
S=1\cdot1+3\cdot5+5\cdot5^2+\cdots+(2n-1)\cdot5^{n-1}\cdots\maru1
これを5倍する(公比を両辺にかける)と
5S=1\cdot5+3\cdot5^2+\cdots+(2n-3)\cdot5^{n-1}+(2n-1)\cdot5^n\cdots\maru2
\maru1-\maru2を行うと,
\begin{array}{cccccccccccccc}&S&=&1\cdot1&+&3\cdot5&+&5\cdot5^2&+&\cdots&+&(2n-1)\cdot5^{n-1}&&\\-)&5S&=& & &1\cdot5&+&3\cdot5^2&+&\cdots&+&(2n-3)\cdot5^{n-1}&+&(2n-1)\cdot5^n\\\hline&-4S&=&1\cdot1&+&2\cdot5&+&2\cdot5^2&+&\cdots&+&2\cdot5^{n-1}&-&(2n-1)\cdot5^n\cdots\maru3\\\end{array}
\maru3より
\begin{array}{lll}-4S&=&1\cdot1+2\cdot5+2\cdot5^2+\cdots+2\cdot5^{n-1}-(2n-1)\cdot5^n\\&=&1+2\left(5+5^2+\cdots+5^{n-1}\right)-(2n-1)\cdot5^n\\&=&1+2\displaystyle\sum_{k=1}^{n-1}5^k-(2n-1)\cdot5^n\\&=&1+2\cdot\dfrac{5(5^{n-1}-1)}{5-1}-(2n-1)\cdot5^n\\&=&1+\dfrac{5^n-5}{2}-(2n-1)\cdot5^n\\&=&\dfrac{(-4n+3)\cdot5^n-3}{2}\end{array}
両辺-4で割って,
S=\dfrac{(4n-3)\cdot5^n+3}{8}\cdots(答)
この問題を解いてみて, 結果が面白いことに気づきました。
結果から考察すると, (4n-3)\cdot5^n+3が8の倍数になるんですよ。時間のある人は数学的帰納法で証明してみてください。これだから数学は楽しい。解答はこちら

複雑な数列の和の求め方
\maru1 求める値をSとおき, シグマを和の形で書き換える。
\maru2 \maru1の両辺に公比をかける。これによって, 項が1つずつスライドする。
\maru3 筆算で公比の累乗部分をそろえて引く\maru1-\maru2
\maru4 一部の項の集まりが等比数列の和になるので, その和をとる。
\maru5 \maru3のときにできたSの係数で両辺を割る。


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