高校数学:数学的帰納法(これは手品?)

こんにちは。今回は数学的帰納法の問題をやっていてこれは手品か?と思ったのがあったのでご紹介も兼ねてやってみようと思います。

例題を見てみよう

【例題】nは自然数とする。数学的帰納法を用いて,
(n+1)(n+2)(n+3) \cdot \cdots \cdot (2k)=2^n\cdot1\cdot3\cdot5\cdot\cdots\cdot(2n-1)
が成り立つことを証明せよ。

手品みたいな解法

【解法】
この等式を(A)とすると,
n=1のとき,
左辺 : 1+1=2, 右辺 : 2^1\cdot1=2
で成り立つ。
n=kのとき, この等式
\begin{array}{lll}&&(k+1)(k+2)(k+3) \cdot \cdots \cdot (2k)\\&=&2^k\cdot1\cdot3\cdot5 \cdot \cdots \cdot (2k-1)\end{array}
が成り立つとすると,
n=k+1のとき
(A)の(左辺)を考えると,
\begin{array}{lll}&&(k+2)(k+3)(k+4) \cdot \cdots \cdot (2k)\cdot(2k+1)\cdot\left\{2\underline{(k+1)}\right\}\\&=&\underline{(k+1)(k+2)(k+3) \cdot \cdots \cdot (2k)}\cdot2(2k+1)\\&=&2^k\cdot1\cdot3\cdot5 \cdot \cdots \cdot (2k-1)\cdot\underline{2}(2k+1)\\&=&2^{k+1}\cdot1\cdot3\cdot5 \cdot \cdots \cdot (2k+1)\\&=&2^{k+1}\cdot1\cdot3\cdot5 \cdot \cdots \cdot \left\{2(k+1)-1\right\}\end{array}
よって, n=k+1のときも成り立つ。
以上より, すべての自然数nについて(A)が成り立つ。

まず上の1行目の下線部の(k+1)は先頭に移動する。すると2行目の下線部の式は, 問題の等式の右辺と置き換えができて, 3行の下線部の2は先頭の2^kとくっつき2^{k+1}に変身するという手品みたいな技。こんな風に数学にも手品?のような技があったのでした。

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