高校数学:解と係数の関係と定数mの範囲②

こんにちは。今回は2次方程式の解の性質から解と係数の関係を用いて, 与えられた文字の範囲を調べていきましょう。最後に数Iでの解法も載せておきます。それでは例題を解きながら見ていきましょう。

例題

【例題】2次方程式2x^2-4mx+m+3=0が, 次のような解をもつとき, 定数mの範囲を求めよ。
(ア) 異なる2つの解がともに1より大きいとき
(イ) 異なる2つの解がともに1より小さいとき
(ウ) 1つの解が1より大きく, 他の解が1より小さいとき

下準備

【下準備】条件よりD>0であるから,
D/4=(-2m)^2-2(m+3)=4m^2-2m-6
つまり, 2m^2-m-3>0, (m+1)(2m-3)>0
よって, m<-1, m>\dfrac32
また, 異なる2つの解を\alpha, \betaとすると,
\alpha+\beta=2m, \alpha\beta=\dfrac{m+3}{2}
以下これらを用いて解法していきます。

(ア)の解法

(ア) 先ず条件より, D>0であるから, m<-1, m>\dfrac32\cdots\maru1
異なる2つの解を\alpha, \betaとすると,
\alpha>1, \beta>1なので, 1を左辺に移項すると,
\alpha-1>0, \beta-1>0となる。これから,
(\alpha-1)+(\beta-1)>0が成り立つので
\alpha+\beta-2>0
2m-2>0
m>1\cdots\maru2
また, このとき, (\alpha-1)(\beta-1)>0なので,
\alpha\beta-(\alpha+\beta)+1>0
\dfrac{m+3}{2}-2m+1>0
\dfrac{-3m+5}{2}>0
m<\dfrac53\cdots\maru3
\maru1, \maru2, \maru3より, 共通範囲を求めて,
\dfrac{3}{2}<m<\dfrac{5}{3}\cdots(答)

(イ)の解法

(イ) (ア) 先ず条件より, D>0であるから, m<-1, m>\dfrac32\cdots\maru1
異なる2つの解を\alpha, \betaとすると,
\alpha<1, \beta<1なので, 1を左辺に移項すると,
\alpha-1<0, \beta-1<0となる。これから,
(\alpha-1)+(\beta-1)<0が成り立つので
\alpha+\beta-2<0
2m-2<0
m<1\cdots\maru2
また, このとき, (\alpha-1)(\beta-1)>0なので,
\alpha\beta-(\alpha+\beta)+1>0
\dfrac{m+3}{2}-2m+1>0
\dfrac{-3m+5}{2}>0
m<\dfrac53\cdots\maru3
\maru1, \maru2, \maru3より, 共通範囲を求めて,
m<-1\cdots(答)

(ウ)の解法

(ウ) 先ず条件より, D>0であるから, m<-1, m>\dfrac32\cdots\maru1
異なる2つの解を\alpha, \betaとすると,
\alpha>1, \beta<1または, \alpha<1, \beta>1なので, 1を左辺に移項すると,
\alpha-1>0, \beta-1<0, または, \alpha-1<0, \beta-1>0となる。
このとき, どちらのときも, (\alpha-1)(\beta-1)<0なので, これが求める条件となる。
よって,
(\alpha-1)(\beta-1)<0
\alpha\beta-(\alpha+\beta)+1<0
\dfrac{m+3}{2}-2m+1<0
\dfrac{-3m+5}{2}<0
m>\dfrac53\cdots(答)

テクニック

異なる2つの解\alpha, \betaがともに1より大きいとき,
\alpha>1, \beta>1なので, 1を左辺に移項すると,
\alpha-1>0, \beta-1>0となる。これから,
(\alpha-1)+(\beta-1)>0かつ(\alpha-1)(\beta-1)>0が成り立つという一連の流れはつかんでおきましょう。

数Iでの解き方はこちら

TikZ:高校数学:二次関数と二次方程式の解②

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