高校数学:数III積分・部分積分法のコツとテクニック

こんにちは。今回は数IIIの積分で部分積分法について少し書いておきます。以下Cは積分定数です。

部分積分法の公式

部分積分法の公式は以下になります。
\displaystyle \int f(x)\cdot g(x) \,dx=f(x)\cdot\{g(x)を積分\}-\displaystyle \int\{f(x)を微分\}\cdot\{g(x)を積分\} \,dx

部分積分法のおおまかなコツ

上の公式で問題になってくるのが, f(x), g(x)の決め方ですが, f(x)には微分しやすいもの, 特に微分すると次数が下がるものを選ぶといいでしょう。g(x)には積分しても変わらないもの選ぶか, 積分するとより簡単になるものを選ぶといいでしょう。
また, \log xの積分などで使う次の部分積分法の技は知っておくといいでしょう。
\displaystyle \int f(x) \,dx=\displaystyle \int 1\cdot f(x) \,dx= xf(x)-\displaystyle \int xf'(x) \,dx
これは, f(x)1\times f(x)として, 1を積分して, f(x)を微分するという部分積分法のテクニックです。
【例】
\begin{array}{lll}\displaystyle \int \log x \,dx&=&\displaystyle \int 1\cdot \log x \,dx\\&=& x\log x-\displaystyle \int x\cdot\dfrac{1}{x} \,dx\\&=& x\log x-\displaystyle \int \,dx\\&=& x\log x-x+C\\\end{array}

部分積分法のテクニック

\displaystyle \int A(x)\cdot \log x \,dxでは, A(x)g(x)(積分する側)にとって, \log xf(x)(微分する側)にとるとうまくいくことが多い。
【例】
\begin{array}{lll}\displaystyle \int x^2\log x \,dx&=&\dfrac{x^3}{3}\cdot\log x-\displaystyle\int \dfrac{x^3}{3}\cdot\dfrac{1}{x}\,dx\\&=&\dfrac13x^3\log x-\displaystyle \int \dfrac{1}{3}x^2\,dx\\&=&\dfrac13x^3\log x-\dfrac19x^3+C\end{array}
\displaystyle \int A(x)\cdot e^{x} \,dxでは, A(x)f(x)(微分する側)にとって, e^{x}g(x)(積分する側)にとるとうまくいくことが多い。
【例】
\begin{array}{lll}\displaystyle \int xe^{x} \,dx&=&x\cdot e^{x}-\displaystyle \int (x)'\cdot e^{x}\,dx\\&=&xe^{x}-\displaystyle \int e^{x} \,dx\\&=&xe^{x}-e^{x}+C\\&=&(x-1)e^{x}+C\\\end{array}

三角関数の部分積分法のテクニック

三角関数の\sin x\cos xでは2回微分すると, 同じ\sin x\cos xが現れることはご存知かと思います。この性質は積分に関しても同じです。したがって, \displaystyle \int A(x)\cdot \sin x \,dx\displaystyle \int A(x)\cdot \cos x \,dxでは, A(x)f(x) (微分)かg(x) (積分)かどちらが楽になるかで判断すればよい。
【例】
\begin{array}{lll}\displaystyle \int x\sin x \,dx&=&x\cdot(-\cos x) -\displaystyle\int (x)'\cdot(-\cos x)\,dx\\&=&-x\cos x+\displaystyle \int \cos x \,dx\\&=&-x\cos x+\sin x+C\end{array}
【例】
\begin{array}{lll}\displaystyle \int e^{x}\cos x \,dx&=&e^{x}\cos x -\displaystyle\int e^{x}(\cos x)' \,dx\\&=&e^{x}\cos x+\displaystyle \int e^{x}\sin x \,dx\\&=&e^{x}\cos x+\left\{ e^{x}\sin x-\displaystyle \int e^{x}(\sin x)' \,dx \right\}\\&=&e^{x}\cos x+e^{x}\sin x-\displaystyle\int e^{x}\cos x \,dx\cdots\maru1\end{array}
\maru1から,
\displaystyle \int e^{x}\cos x \,dx=e^{x}\cos x+e^{x}\sin x-\displaystyle\int e^{x}\cos x \,dx
となり, 右辺の-\displaystyle\int e^{x}\cos x \,dxを左辺に移項して, 計算すると,
2\displaystyle \int e^{x}\cos x dx=e^{x}\cos x+e^{x}\sin x
であるから,
\displaystyle \int e^{x}\cos x dx=\dfrac12(\cos x + \sin x)e^{x}+C
となる。


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