高校数学:数III微分・逆関数の微分法

こんにちは。今回は逆関数の微分法について書いておきます。

逆関数の微分法

関数y=f(x)の逆関数をy=f^{-1}(x)とすると, x=f(y)\cdots\maru1となります。
\maru1xで微分すると,
1=f'(y)\cdot\dfrac{dy}{dx}
となります。
したがって,
\dfrac{dy}{dx}=\dfrac{1}{f'(y)}\cdots\maru2
また, \maru1yで微分すると,
\dfrac{dx}{dy}=f'(y)となるので, これを\maru2にあてはめると,
\dfrac{dy}{dx}=\dfrac{1}{\dfrac{dx}{dy}}
となります。

どんな場面で使うのか

逆関数の微分を使う場面は,
\maru1 逆関数をとった方が楽な場合, つまり, y=f(x)x=g(y)とした方がよい場合。
\maru2 y=の形で表せない場合に用いるとよい。
以下に\maru1, \maru2の例題を示しました。

例題を見てみよう

\maru1の例】関数y=\sqrt[5]{x}を微分せよ。

【解答例】
両辺5乗して, y^5=x
yで微分すると, 5y^4=\dfrac{dx}{dy}
\begin{array}{lll}\dfrac{dy}{dx}&=&\dfrac{1}{\dfrac{dx}{dy}}\\&=&\dfrac{1}{5y^4}\\&=&\dfrac{1}{5\left(\sqrt[5]{x}\right)^4}\\&=&\dfrac{1}{5\sqrt[5]{x^4}}\end{array}
【別解】この程度の問題であれば, 上記方法をとるより,
y=x^{\frac15}として, 普通に微分を行った方が早い。
\begin{array}{lll}y'&=&\dfrac15x^{\frac15-1}\\&=&\dfrac15x^{-\frac45}\\&=&\dfrac{1}{5\sqrt[5]{x^4}}\end{array}

\maru2の例】関数x=\sin y\, \left(-\dfrac{\pi}{2}<y<\dfrac{\pi}{2}\right)を微分せよ。

【解答例】
yで微分すると, \dfrac{dx}{dy}=\cos yとなるので,
\dfrac{dy}{dx}=\dfrac{1}{\dfrac{dx}{dy}}=\dfrac{1}{\cos y}\cdots(A)
ここで, \sin^2y+\cos^2y=1から,
\cos y=\pm\sqrt{1-\sin^2y}となり,
-\dfrac{\pi}{2}<y<\dfrac{\pi}{2}であるので, \cos y>0
したがって, \cos y=\sqrt{1-\sin^2y}
これを(A)に代入すると,
\dfrac{dy}{dx}=\dfrac{1}{\sqrt{1-\sin^2y}}=\dfrac{1}{\sqrt{1-x^2}}
となる。
よって,
\dfrac{dy}{dx}=\dfrac{1}{\sqrt{1-x^2}}

逆関数の微分法

逆関数の微分を使う場面は,
\maru1 逆関数をとった方が楽な場合, つまり, y=f(x)x=g(y)とした方がよい場合。
\maru2 y=の形で表せない場合に用いるとよい。
ただ, 上の\maru1の例題のように, 場合によってはそのままやった方が早い場合もある。


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