高校数学:積分・定積分で表された関数の微分

こんにちは。積分方程式を解くときなんかに役立つ知識なので, しっかり身に付けておきたいですね。

定積分を微分すると

以下f(t)tの関数で, F(x)は関数f(x)の原始関数の1つとする。
定積分で表された関数を微分したときの公式を以下に記す。

\dfrac{d}{dx}\displaystyle\int^{x}_af(t)\,dt=f(x)

【証明】\displaystyle\int^{x}_af(t)\,dt=F(x)-F(a)\,\,ただし, F(a)は単に定数項であることから, この等式の両辺をxについて微分すると,
\dfrac{d}{dx}\displaystyle\int^{x}_af(t)\,dt=F'(x)-0=f(x)
したがって, \dfrac{d}{dx}\displaystyle\int^{x}_af(t)\,dt=f(x)

例題

【例】等式\displaystyle\int^{x}_af(t)\,dt=x^2-5x-6を満たす関数f(x)と定数aを求めよ。

【解答】与式の両辺をxについて微分すると,
f(x)=2x-5となる。
ここで, x=aとして, 与式の両辺に代入すると,
左辺は\mathrm{0}になり, 次のaについての二次方程式ができる。
a^2-5x-6=0
これを解くと,
(a-6)(a+1)=0
よって, a=6, -1
f(x)=2x-5, a=6, -1\cdots(答)
【別解】
f(x)=2x-5となるので, 与式の等式の左辺にこれを代入すると,
\begin{array}{lll}\displaystyle\int^{x}_a(2t-5)\,dt&=&\left[t^2-5t\right]^{x}_a\\&=&(x^2-5x)-(a^2-5a)\\&=&x^2-5x-a^2+5a\cdots\maru1\end{array}
\maru1は与式の右辺と恒等的な関係にあるので,
-a^2+5a=-6が成り立つ。
a^2-5a-6=0
(a-6)(a+1)=0
よって, a=6, -1

拡張版の公式

\dfrac{d}{dx}\displaystyle\int^{p(x)}_{q(x)}f(t)\,dt=f(p(x))\cdot p'(x)-f(q(x))\cdot q'(x)

【証明】\displaystyle\int^{p(x)}_{q(x)}f(t)\,dt=F(p(x))-F(q(x))
両辺をxについて微分すると,
\begin{array}{lll}\dfrac{d}{dx}\displaystyle\int^{p(x)}_{q(x)}f(t)\,dt&=&F'(p(x))\cdot p'(x)-F'(q(x))\cdot q'(x)\\&=&f(p(x))\cdot p'(x)-f(q(x))\cdot q'(x)\end{array}
したがって, \dfrac{d}{dx}\displaystyle\int^{p(x)}_{q(x)}f(t)\,dt=f(p(x))\cdot p'(x)-f(q(x))\cdot q'(x)

例題

【例】等式\displaystyle\int^{x^3}_{e^x} \log t\,dtxについて微分せよ。

【解答】
\begin{array}{lll}\dfrac{d}{dx}\displaystyle\int^{x^3}_{e^x} \log t\,dt&=&\log x^3\cdot (x^3)'-\log e^x\cdot (e^x)'\\&=&3x^2\log x^3-xe^x\end{array}

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)