高校数学:数III微分・2次曲線の接線の公式の導出

こんにちは。今回は2次曲線の接線の公式を導いていく問題をやっていきます。

微分することで理屈で攻める

【例】円x^2+y^2=25上の点(3, 4)における接線の方程式は, 3x+4y=25で表されることを示せ。

【解答例】円の方程式の両辺をxについて微分すると,
2x+2y\dfrac{dy}{dx}=0
\dfrac{dy}{dx}=-\dfrac{x}{y}となり, 点(3, 4)は円周上の点なので,
接線の傾きは-\dfrac{3}{4}となる。
したがって, 点(3, 4)における接線の方程式は,
y=-\dfrac{3}{4}(x-3)+4
これを整理すると,
3x+4y=25
となる。

【例】放物線y^2=8xのグラフ上の点(2, 4)における接線の方程式は, y=x+2で表されることを示せ。

【解答例】放物線の方程式の両辺をxについて微分すると,
2y\dfrac{dy}{dx}=8
\dfrac{dy}{dx}=\dfrac{4}{y}となり, 点(2, 4)はグラフ上の点なので,
接線の傾きは\dfrac{4}{4}=1となる。
したがって, 点(2, 4)における接線の方程式は,
y=(x-2)+4
これを整理すると,
y=x+2
となる。

【例】楕円\dfrac{x^2}{8}+\dfrac{y^2}{4}=1上の点(\sqrt6, 1)における接線の方程式は, \dfrac{\sqrt6}{8}x+\dfrac{1}{4}y=1で表されることを示せ。

【解答例】楕円の方程式の両辺をxについて微分すると,
\dfrac{x}{4}+\dfrac{y}{2}\dfrac{dy}{dx}=0
\begin{array}{rll}\dfrac{y}{2}\dfrac{dy}{dx}&=&-\dfrac{x}{4}\\\dfrac{dy}{dx}&=&-\dfrac{x}{2y}\end{array}
となり, 点(\sqrt6, 1)は楕円上の点なので,
接線の傾きは-\dfrac{\sqrt6}{2}となる。
したがって, 点(\sqrt6, 1)における接線の方程式は,
y=-\dfrac{\sqrt6}{2}(x-\sqrt6)+1
これを整理すると,
\dfrac{\sqrt6}{8}x+\dfrac{1}{4}y=1
となる。

【例】双曲線\dfrac{x^2}{8}-\dfrac{y^2}{4}=1上の点(2\sqrt3, \sqrt2)における接線の方程式は, \dfrac{\sqrt3}{4}x-\dfrac{\sqrt2}{4}y=1で表されることを示せ。

【解答例】双曲線の方程式の両辺をxについて微分すると,
\dfrac{x}{4}-\dfrac{y}{2}\dfrac{dy}{dx}=0
\begin{array}{rll}-\dfrac{y}{2}\dfrac{dy}{dx}&=&-\dfrac{x}{4}\\\dfrac{dy}{dx}&=&\dfrac{x}{2y}\end{array}
となり, 点(2\sqrt3, \sqrt2)は双曲線上の点なので,
接線の傾きは\dfrac{\sqrt3}{\sqrt2}=\dfrac{\sqrt6}{2}となる。
したがって, 点(2\sqrt3, \sqrt2)における接線の方程式は,
y=\dfrac{\sqrt6}{2}(x-2\sqrt3)+\sqrt2
これを整理すると,
\dfrac{\sqrt3}{4}x-\dfrac{\sqrt2}{4}y=1
となる。

公式たちの導出問題

【問1】円x^2+y^2=r^2上の点(a, b)における接線の方程式は, ax+by=r^2で表されることを示せ。

【解答例】円の方程式の両辺をxについて微分すると,
2x+2y\dfrac{dy}{dx}=0
\dfrac{dy}{dx}=-\dfrac{x}{y}となり, 点(a, b)は円周上の点なので,
a^2+b^2=r^2\cdots\maru1が成り立つ。
また, 接線の傾きは-\dfrac{a}{b}となる。
したがって, 点(a, b)における接線の方程式は,
y=-\dfrac{a}{b}(x-a)+b
これを整理すると,
ax+by=a^2+b^2
となり, \maru1から, 接線の方程式は,
ax+by=r^2となる。

【問2】放物線y^2=4px上の点(a, b)における接線の方程式は, by=2p(x+a)で表されることを示せ。

【解答例】放物線の方程式の両辺をxについて微分すると,
2y\dfrac{dy}{dx}=4p
\dfrac{dy}{dx}=\dfrac{2p}{y}となり, 点(a, b)はグラフ上の点なので,
b^2=4ap\cdots\maru1が成り立つ。
また, 接線の傾きは\dfrac{2p}{b}となる。
したがって, 点(a, b)における接線の方程式は,
y=\dfrac{2p}{b}(x-a)+b
これを計算すると,
by=2px-2ap+b^2
\maru1から,
\begin{array}{lll}by&=&2px-2ap+4ap\\&=&2px+2ap\\&=&2p(x+a)\end{array}
よって, 接線の方程式は,
by=2p(x+a)
となる。

【問3】楕円\dfrac{x^2}{a^2}+\dfrac{y^2}{b^2}=1上の点(p, q)における接線の方程式は, \dfrac{px}{a^2}+\dfrac{qy}{b^2}=1で表されることを示せ。

【解答例】楕円の方程式の両辺をxについて微分すると,
\dfrac{2x}{a^2}+\dfrac{2y}{b^2}\dfrac{dy}{dx}=0
\begin{array}{rll}\dfrac{2y}{b^2}\dfrac{dy}{dx}&=&-\dfrac{2x}{a^2}\\\dfrac{dy}{dx}&=&-\dfrac{b^2x}{a^2y}\end{array}
となり, 点(p, q)は楕円上の点なので,
\dfrac{p^2}{a^2}+\dfrac{q^2}{b^2}=1\cdots\maru1が成り立つ。
また, 接線の傾きは-\dfrac{b^2p}{a^2q}となる。
したがって, 点(p, q)における接線の方程式は,
y=-\dfrac{b^2p}{a^2q}(x-p)+q
これを計算すると,
b^2px+a^2qy=b^2p^2+a^2q^2となり, a^b^2>0より,
両辺をa^2b^2で割ると,
\dfrac{px}{a^2}+\dfrac{qy}{b^2}=\dfrac{p^2}{a^2}+\dfrac{q^2}{b^2}
\maru1より, 接線の方程式は,
\dfrac{px}{a^2}+\dfrac{qy}{b^2}=1
となる。

【問4】双曲線\dfrac{x^2}{a^2}-\dfrac{y^2}{b^2}=1上の点(p, q)における接線の方程式は, \dfrac{px}{a^2}-\dfrac{qy}{b^2}=1で表されることを示せ。

【解答例】楕円の方程式の両辺をxについて微分すると,
\dfrac{2x}{a^2}-\dfrac{2y}{b^2}\dfrac{dy}{dx}=0
\begin{array}{rll}-\dfrac{2y}{b^2}\dfrac{dy}{dx}&=&-\dfrac{2x}{a^2}\\\dfrac{dy}{dx}&=&\dfrac{b^2x}{a^2y}\end{array}
となり, 点(p, q)は楕円上の点なので,
\dfrac{p^2}{a^2}-\dfrac{q^2}{b^2}=1\cdots\maru1が成り立つ。
また, 接線の傾きは\dfrac{b^2p}{a^2q}となる。
したがって, 点(p, q)における接線の方程式は,
y=\dfrac{b^2p}{a^2q}(x-p)+q
これを計算すると,
b^2px-a^2qy=b^2p^2-a^2q^2となり, a^2b^2>0より,
両辺をa^2b^2で割ると,
\dfrac{px}{a^2}-\dfrac{qy}{b^2}=\dfrac{p^2}{a^2}-\dfrac{q^2}{b^2}
\maru1より, 接線の方程式は,
\dfrac{px}{a^2}-\dfrac{qy}{b^2}=1
となる。

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