こんにちは。今回は数列の極限について書いておきます。
限りなく続く数列を無限数列という。無限数列において,
を限りなく大きくしたときの
の値を調べることを, 数列
の極限を調べるという。ただし,
は自然数。
収束
が定数
に限りなく近づく。この
を極限値という。
発散
正の無限大に発散が限りなく大きくなる。
負の無限大に発散が限りなく小さくなる。
振動値が上下するとき極限値はない。例:
のような数列
数列,
が収束し,
,
のとき,
(
は定数)
不定形,
のとき,
,
が成り立つが,
の極限にはいろいろ考えられる。これらを不定形という。
の不定形では,
の最高次数でくくって極限をとるとよい。
の不定形では,
の
の最高次数で分母分子を割って極限をとるとよい。
無理式の極限では以下のことに着眼して解くとうまくいくことが多い。
無理式の極限では, 分母や分子の有理化を行うとよい。
以下分子の有理化のイメージの場合
として, 分母分子に
をかける。
つまり,
として,で極限を求めるとよい。
次の数列の極限を調べよ。
(1)
(2)
(3)
(4)
(1) で,
を
にすると,
は限りなく0に近づくので,
は2に収束する。したがって, 極限値は2
(2) で,
を
にすると, いずれ
となり, どんどん小さくなっていく。したがって, この数列は
に発散する。
(3) の
を
にすると, 数はどんどん大きくなっていく, したがって, この数列は
に発散する。
(4) この数列は正の項, 負の項が交互に現れるので, にも
にも発散しない。ゆえにこの数列は振動する。
次の極限を調べよ。
(1)
(2)
(3)
(1) 分子分母をで割る。
(2) 分子分母をで割る。
(3) 分子分母をで割る。
の極限値を求めよ。
分子の有理化を行う。と考えて, 分母分子に
をかける。
これを用いて, の分母の
の中を
でくくって,
を
の外へ出すと
になる。
の分母分子を
で割って,
にするという流れ。