こんにちは。今回は定積分と不等式について書いておきます。
定積分の比較として次の関係が成り立ちます。
定積分の比較
ならば,
等号が成り立つのは, のときのみ
【例】は3以上の自然数とする。
(1) のとき, を証明せよ。
(2) を証明せよ。
【解答例】
(1) で, は3以上の自然数であることから,
が成り立つ。この辺々に1を加えると,
となり, この逆数をとると,
となる。(証明終)
(2) (1)の等号は常には成り立たないので, 辺々を区間で積分すると,
となり,
また,
で, とおくと,
で, であるから,
以上から,
が成り立つ。(証明終)
よく質問に挙がる「等号は常には成り立たないので」という意味は,
で, 区間において, 少しでもとなる区間があれば, 区間でとを積分した(面積を求めた)場合, 計算結果は必ずの方(の面積)が大きくなります。ですから, 積分計算時に等号がはずれるのです。