TikZ:高校数学:数III積分・区分求積法

こんにちは。今回は区分求積法について書いておきます。

区分求積法とは

関数f(x)a\leqq x\leqq bにおいて常にf(x)\geqq0であるとき, y=f(x)のグラフとx軸, および2直線x=a,\, x=bで囲まれた面積をSとする。
図のように, 区間a\leqq x\leqq bn等分して, 左から順に, x_0\,(a), x_1, x_2, \cdots, x_n\,(b)とし, 分割の幅を\Delta xとする。このとき, 図にできたn個の長方形の面積の和S_nは,
\begin{array}{lll}S_n&=&f(x_1)\Delta x+f(x_2)\Delta x+f(x_3)\Delta x+\cdots +f(x_n)\Delta x\\&=&\displaystyle\sum^n_{k=1}f(x_k)\Delta x\end{array}
ただし, \Delta x=\dfrac{b-a}{n}とする。
と表される。この式において, nが十分大きいとき, その値はSの値に近づき, SS_nにおいて, n\to\inftyとした極限値であると考えてもよい。
また, 面積Sは区間a\leqq x\leqq bにおける関数f(x)の定積分として与えられるから,
\displaystyle\lim_{n\to\infty}\displaystyle\sum^n_{k=1}f(x_k)\Delta x=\displaystyle\int^b_a f(x)\,dx\cdots\maru1
ただし, \Delta x=\dfrac{b-a}{n}, x_k=a+k\Delta x
が成り立つ。

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このように区間を分割して, その区間の面積を長方形の面積の和(数列の和)の極限として求める方法を, 区分求積法という。
また, この区分求積法において, 長方形の縦の長さはf(x_1), f(x_2), \cdots, f(x_k)としているが, 以下のように, 長方形の縦の長さをf(x_0), f(x_1), \cdots, f(x_{k-1})とする方法もある。

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この場合の関係式は,
\displaystyle\lim_{n\to\infty}\displaystyle\sum^{n-1}_{k=0}f(x_k)\Delta x=\displaystyle\int^b_a f(x)\,dx\cdots\maru2
ただし, \Delta x=\dfrac{b-a}{n}, x_k=a+k\Delta x
となる。

①, ②式から重要公式

上の\maru1の式において, a=0, b=1とすると,
\Delta x=\dfrac{1}{n} x_k=\dfrac{k}{n}となるので,
次式が得られる。
\displaystyle\lim_{n\to\infty}\displaystyle\sum^n_{k=1}\dfrac{1}{n}f\left(\dfrac{k}{n}\right)=\displaystyle\int^1_0 f(x)\,dx
これを用いて, 数列の和の極限を, 定積分を用いて求められる場合がある。
ちなみに\maru2式の場合だと,
\displaystyle\lim_{n\to\infty}\displaystyle\sum^{n-1}_{k=0}\dfrac{1}{n}f\left(\dfrac{k}{n}\right)=\displaystyle\int^1_0 f(x)\,dx
となる。

問題を見てみよう

【例】次の極限を求めよ。
(1) \displaystyle\lim_{n\to\infty}\displaystyle\sum_{k=1}^n\dfrac{1}{n+k}
(2) \displaystyle\lim_{n\to\infty}\dfrac1n\left(\cos\dfrac{\pi}{2n}+\cos\dfrac{2\pi}{2n}+\cos\dfrac{3\pi}{2n}+\cdots+\cos\dfrac{n\pi}{2n}\right)

【解答例】
(1)
\begin{array}{lll}\displaystyle\lim_{n\to\infty}\displaystyle\sum^{n}_{k=1}\dfrac{1}{n+k}&=&\displaystyle\lim_{n\to\infty}\displaystyle\sum^{n}_{k=1}\dfrac1n\cdot\dfrac{1}{1+\dfrac{k}{n}}\\&=&\displaystyle\int^1_0\dfrac{dx}{x+1}\,dx\\&=&\left[\log(1+x)\right]^1_0\\&=&\log2\end{array}
(2)
\begin{array}{lll}\displaystyle\lim_{n\to\infty}\dfrac1n\displaystyle\sum^n_{k=1}\cos\dfrac{k\pi}{2n}&=&\displaystyle\lim_{n\to\infty}\dfrac1n\displaystyle\sum^n_{k=1}\cos\dfrac{\pi}{2}\cdot\dfrac{k}{n}\\&=&\displaystyle\int^1_0\cos\dfrac{\pi}{2}x\, dx\\&=&\left[\dfrac{2}{\pi}\sin\dfrac{\pi}{2}x\right]^1_0\\&=&\dfrac{2}{\pi}\end{array}

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