こんにちは。今回は数IIIの回転体の体積を求めるのに有効な技である。バウムクーヘン積分法の紹介です。軸について回転するときに威力を発揮する公式です。それでは見ていきましょう。
バウムクーヘン積分法の公式
関数, 軸, , に囲まれる領域を軸について回転させたときにできる回転体の体積は,
で与えられる。
これが, バウムクーヘン積分法の公式である。
今, 区間内のから(赤の区間)を回転させることを考える。また, , とする。
このとき, イメージとしては以下のような感じになる。
このとき. 赤の区間を回転させたときにできる立体の内側の高さと外側の高さが異なるので, 体積を不等式評価することを考える。 求めたい体積をとすると, は底面積が半径の円から半径の円を引いたもので, 高さがのものより大きく, 高さがのものより小さいので, 以下の不等式が成り立つ。
辺々で割ると,
ここで,
とし, 極限をとると,
となり, はさみうちの原理より,
なので,
体積をで微分したものが, なので,
よって, 求める体積は,
【例】曲線を, 軸の回りに回転させてできる立体の体積を求めよ。
【解答例】
与えられた関数をについて解くと, これをもとにグラフを描くと, 以下のような感じになります。これを軸について回転させることを考える。
このとき, 以下の部分だけ回転させて, 上下分で2倍すればよいことになります。
したがって, 求める体積は,
であり, であるから,
ここで, の
を計算すると,
とおいて,
,
,
であるから,
よって, より,
(答)
この曲線はリサージュ曲線と呼ばれる曲線であるようです。
では。
この裏技公式ですが, 使っていいという解釈とそうでないという解釈があります。個人的には受験生は現役生だけではないので, 何のテクニックを使ってもいいと思います。したがって, この裏技も本番で使っていいというのが私の見解です。もちろん, 証明をすれば堂々と使えるのは確かなのですが,証明をしていたのでは時短になりません。使う本人が不安なのであれば, 使用はやめたほうが無難でしょう。私は問題ないと思いますけどね。ただし, 個人の感想ですので, 減点に関しては責任を負いかねます。その点よろしくお願いします。