高校数学:数III微分:なぜsinxを微分するとcosxに, cosxを微分すると-sinxになるか

こんにちは。この証明は導出できるように解き方を覚えていた方がいいです。やり方さえ覚えていれば公式はその場で導出できるはずです。それではどうぞ。

sinxを微分するとcosxになるわけ

\sin xを導関数の定義にしたがって微分すると,
(\sin x)'=\displaystyle \lim_{h\to 0}\dfrac{\sin(x+h)-\sin x}{h}
ここで, \sin(x+h)-\sin xを和積の公式で1つにしたいのだが,
和積の公式を忘れたので, それを導出する。
\sinの加法定理より,
\sin(\alpha+\beta)=\sin\alpha\cos\beta+\cos\alpha\sin\beta\cdots\maru1
\sin(\alpha-\beta)=\sin\alpha\cos\beta-\cos\alpha\sin\beta\cdots\maru2
\maru1-\maru2を計算すると,
\sin(\alpha+\beta)-\sin(\alpha-\beta)=2\cos\alpha\sin\beta\cdots(A)
左辺と\sin(x+h)-\sin xと比較すると,
\alpha+\beta=x+h\cdots\maru3
\alpha-\beta=x\cdots\maru4
\maru3, \maru4の連立方程式を解くと,
\alpha=\dfrac{2x+h}{2}, \beta=\dfrac{h}{2}\cdots(B)
よって, (A), (B)より,
\sin(x+h)-\sin x=2\cos\alpha\sin\beta=2\cos\left(\dfrac{2x+h}{2}\right)\sin\dfrac{h}{2}
これを用いると,
\begin{array}{lll}(\sin x)'&=&\displaystyle \lim_{h\to 0}\dfrac{\sin(x+h)-\sin x}{h}\\&=&\displaystyle \lim_{h\to 0}\dfrac{2\cos\left(\dfrac{2x+h}{2}\right)\sin\dfrac{h}{2}}{h}\\&=&\displaystyle \lim_{h\to 0}\dfrac{\sin\frac{h}{2}}{\frac{h}{2}}\cdot\cos\left(\dfrac{2x+h}{2}\right)\\&=&\cos x\end{array}

cosxを微分すると-sinxになるわけ

\cos xを導関数の定義にしたがって微分すると,
(\cos x)'=\displaystyle \lim_{h\to 0}\dfrac{\cos(x+h)-\cos x}{h}
ここで, \cos(x+h)-\cos xを和積の公式で1つにしたいのだが,
和積の公式を忘れたので, それを導出する。
\cosの加法定理より,
\cos(\alpha+\beta)=\cos\alpha\cos\beta-\sin\alpha\sin\beta\cdots\maru1
\cos(\alpha-\beta)=\cos\alpha\cos\beta+\sin\alpha\sin\beta\cdots\maru2
\maru1-\maru2を計算すると,
\cos(\alpha+\beta)-\cos(\alpha-\beta)=-2\sin\alpha\sin\beta\cdots(A)
左辺と\cos(x+h)-\cos xと比較すると,
\alpha+\beta=x+h\cdots\maru3
\alpha-\beta=x\cdots\maru4
\maru3, \maru4の連立方程式を解くと,
\alpha=\dfrac{2x+h}{2}, \beta=\dfrac{h}{2}\cdots(B)
よって, (A), (B)より,
\cos(x+h)-\cos x=-2\sin\alpha\sin\beta=-2\sin\left(\dfrac{2x+h}{2}\right)\sin\dfrac{h}{2}
これを用いると,
\begin{array}{lll}(\cos x)'&=&\displaystyle \lim_{h\to 0}\dfrac{\cos(x+h)-\cos x}{h}\\&=&\displaystyle \lim_{h\to 0}\dfrac{-2\sin\left(\dfrac{2x+h}{2}\right)\sin\dfrac{h}{2}}{h}\\&=&\displaystyle \lim_{h\to 0}\dfrac{\sin\frac{h}{2}}{\frac{h}{2}}\cdot -\sin\left(\dfrac{2x+h}{2}\right)\\&=&-\sin x\end{array}

流れを掴んでおこう

\maru1 \sin\cosを導関数の定義にしたがって微分する。
\maru2 \maru1の分子の差の式を, 和積の公式を用いて, 1つの式にまとめる。
\maru3 \maru1の分子の式を\maru2の式で置き換え, 極限をとって終了。

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