TikZ:高校数学:数III積分:斜回転体の体積について

こんにちは。これもよく登場するxy平面上の傾きのある直線を軸とする回転体の求め方の話です。先ずは例題を解きながら見ていきましょう。

例題

【例題】放物線y=x^2と直線y=xで囲まれた図形を, 直線y=xを軸として1回転させてできる立体の体積を求めよ。

図示すると以下のようになる。

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今回図中の\theta(直線y=xx軸とのなす角)は45\Degで, Pは放物線上の点, Qはy=x上の点で, x座標は等しい。\mathrm{P}( x, x^2), \mathrm{Q}( x, x )とする。このとき, 線分\mathrm{PH}(=h)を直線y=xを軸として1回転してできる円の面積をy=xにそって線分\mathrm{OA}の区間で積分することを考える。\mathrm{OH}=tとすると, 求める体積Vは,
V=\pi\displaystyle\int_0^{\sqrt2}h^2\, dt\cdots\maru1
と表せる。
ここで, h,\ tを求めると,
h=\mathrm{PQ}\cos 45\Deg, \mathrm{PQ}=x-x^2なので,
h=\dfrac{x-x^2}{\sqrt2}\cdots\maru2
t=\mathrm{OQ}-\mathrm{QH}であり, \mathrm{OQ}=\sqrt2 x, \mathrm{QH}=\mathrm{PH}(h)=\dfrac{x-x^2}{\sqrt2}であるから,
t=\sqrt2 x-\dfrac{x-x^2}{\sqrt2}=\dfrac{x+x^2}{\sqrt2}
このtxで微分すると,
dt=\dfrac{1+2x}{\sqrt2}\ dx\cdots\maru3
となる。\maru2, \maru3より, \maru1を計算すると,
\begin{array}{lll}V&=&\pi\displaystyle\int_0^{\sqrt2}h^2\ dt\\&=&\pi\displaystyle\int_0^1\left(\dfrac{x-x^2}{\sqrt2}\right)^2\dfrac{1+2x}{\sqrt2}\ dx\\&=&\dfrac{\pi}{2\sqrt2}\displaystyle\int_0^1(x^2-3x^4+2x^5)\ dx\\&=&\dfrac{\pi}{2\sqrt2}\left[\dfrac13x^3-\dfrac35x^5+\dfrac13x^6\right]_0^1\\&=&\dfrac{\pi}{30\sqrt2}\end{array}
となる。

一般化すると

関数y=f(x)と直線y=g(x)によって囲まれる面積を, 直線y=g(x)について1回転させてできる立体の体積を求めてみる。2つのグラフの交点のx座標はx_1, x_2\ (x_1<x_2)とする。

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直線y=g(x)x軸のなす角を\thetaとする。Pは関数y=f(x)上の点, Qはy=g(x)上の点で, x座標は等しい。\mathrm{P}( x, f(x) ), \mathrm{Q}( x, g(x) )とする。このとき, 線分\mathrm{PH}(=h)を直線y=g(x)を軸として1回転してできる円の面積をy=g(x)にそって線分\mathrm{A'A}の区間で積分することを考える。\mathrm{OH}=tとすると, 求める体積Vは,
V=\pi\displaystyle\int_{x_1}^{x_1+T}h^2\, dt\cdots\maru1
と表せる。
ここで, h,\ tを求めると,
h=\mathrm{PQ}\cos\theta, \mathrm{PQ}=g(x)-f(x)=h(x)とおくと,
h=h(x)\cos\theta\cdots\maru2
t=\mathrm{OQ}-\mathrm{QH}であり, \mathrm{OQ}=\dfrac{x}{\cos\theta}, \mathrm{QH}=h(x)\sin\thetaであるから,
t=\dfrac{x}{\cos\theta}-h(x)\sin\theta
このtxで微分すると,
dt=\dfrac{1}{\cos\theta}-h'(x)\sin\theta\ dx\cdots\maru3
となる。\maru2, \maru3より, \maru1を計算すると,
\begin{array}{lll}V&=&\pi\displaystyle\int_{x_1}^{x_1+T}h^2\ dt\\&=&\pi\displaystyle\int_{x_1}^{x_2}\left\{h(x)\cos\theta\right\}^2\left\{\dfrac{1}{\cos\theta}-h'(x)\sin\theta\right\}\ dx\\&=&\pi\displaystyle\int_{x_1}^{x_2}\left\{(h(x))^2\cos\theta-(h(x))^2 h'(x)\sin\theta\cos^2\theta\right\}\ dx\\&=&\pi\cos\theta\displaystyle\int_{x_1}^{x_2}\left\{h(x)\right\}^2\ dx-\pi\sin\theta\cos^2\theta\displaystyle\int_{x_1}^{x_2}\left\{h(x)\right\}^2h'(x)\ dx\\&=&\pi\cos\theta\displaystyle\int_{x_1}^{x_2}\left\{h(x)\right\}^2\ dx-\pi\sin\theta\cos^2\theta\left[\dfrac{\left\{h(x)\right\}^3}{3}\right]_{x_1}^{x_2}\cdots\textcircled{\scriptsize 4}\\&=&\pi\cos\theta\displaystyle\int_{x_1}^{x_2}\left\{h(x)\right\}^2\ dx\end{array}
となる。
よって, 求める体積は
V=\pi\cos\theta\displaystyle\int_{x_1}^{x_2}\left\{h(x)\right\}^2\ dx
で与えられる。
ちなみに\textcircled{\scriptsize 4}\left[\dfrac{\left\{h(x)\right\}^3}{3}\right]_{x_1}^{x_2}の計算であるが,
h(x)はもともとg(x)-f(x)であり, x_1, x_2f(x), g(x)の交点であるため, f(x_1)=g(x_1), f(x_2)=g(x_2)となるので, 計算結果は0になる。
また, 関数y=f(x)y=g(x)の上下が逆転するときも, 同様にして求められる。具体的に書くと,
t=\dfrac{x}{\cos\theta}+h(x)\sin\theta
とすることで, 同じ結果が得られる。

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