高校数学:数III微分:a^bとb^a(0<a<b)の大小関係について

こんにちは。頻出系ですかね。それではいってみましょう。

問題

【問題】異なる正の実数a, bについて, a^bb^a\ (0<a<b)の大小関係を考える。
(1) f(x)=\dfrac{\log x}{x}のグラフを考えることにより, e^{\pi}\pi^eの大小関係を調べよ。
(2) a^bb^aの大小関係を次の場合において答えよ。
(\, i\, ) 0<a<b\leqq e
(\, ii\, ) e\leqq a<b
(3) 2^{\pi}\pi^2の大小関係を調べよ。

解答・解説例

【予備知識】
まず, a^b, b^aを比較するのに, \dfrac{\log x}{x}が出てくるのはなぜだろうという疑問が生じるかもしれない。
そこで,
a^bb^aをイコールで結んでみることにすると,
a^b=b^a
両辺\dfrac{1}{ab}乗すると,
a^{\frac1a}=b^{\frac1b}となる。
この両辺の自然対数をとると,
\dfrac{\log a}{a}=\dfrac{\log b}{b}
となって, \dfrac{\log x}{x}の大小関係で比較ができるという仕組みになっている。
【解答例】
(1)
f'(x)=\dfrac{1-\log x}{x^2}
f'(x)=0となるのは, x=eのとき,
\begin{array}{|c||c|c|c|c|} \hline  x &0& \cdots & e & \cdots \\ \hline f'(x) & & + & 0 & - \\ \hline f(x) & & \nearrow &\dfrac1e & \searrow \\ \hline\end{array}
グラフを書くと以下のようである。

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このとき, 0<x\leqq eでグラフは単調増加, e\leqq xでグラフは単調減少を表す。
よって,
\dfrac{\log e}{e}>\dfrac{\log\pi}{\pi}
よって,
\pi\log e>e\log\pi
よって, e^{\pi}>\pi^e
単純に【予備知識】示し, グラフから
e<\piなので値が大きい方が小さいことになる。
よって, e^{\pi}>\pi^eとしてもよいと思う。
(2)
(\, i\, )(1)より, グラフは単調増加であるから, 値が大きい方が大きい。
a<bより, a^b<b^a
(\, ii\, )(1)より, グラフは単調減少であるから, 値が小さい方が大きい。
a<bより, a^b>b^a
(3)
2<e<\piであるから, (2)が使えなさそうに見えるが, 2乗することでそれを回避する。
2^{\pi}\pi^2を2乗すると,
4^{\pi}, \pi^4となり, これで(2)が使える。
e<\pi<4なので,
4^{\pi}<\pi^4
よって, 2^{\pi}<\pi^2

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