こんにちは。三角関数を含む方程式の解の個数についての解法を記しておきます。例題をやりながら見ていきましょう。
【例題】のとき, 方程式の解の個数を, 定数の値によって分類しなさい。
【方針】定数分離の考え方を用いる。
定数分離とは等式を定数と定数でない部分に分けることを言い, 今回の場合なら, 等式を
と定数部分を右辺に移項する。そして,
との交点の個数から, 方程式の解の個数を調べる方法のことである。
【解答例】
等式をとし,
ととする。
はより,
となる。ここで, 考えやすいように, とおくと,
となり,
より, となる。
平方完成すると,
の範囲でグラフをかくと,
となる。
これとの交点を見ていくと,
(A) のとき, 下図のように交点は1つで, そのときのの値はである。なので, となるの値はと1つ存在する。よって, のときは解の個数は1つとなる。
(B) のとき, 下図のように交点は1つで, そのときのの値はである。なので, となるの値は2つ存在する。よって, のときは解の個数は2つとなる。
(C) のとき, 下図のように交点は2つで, そのときのの値はである。なので, となるの値はのとき, , のとき, となり, 解は3つ存在する。よって, のときは解の個数は3つとなる。
(D) のとき, 下図のように交点は2つで, そのときのの値はとである。なので, となるの値は2つ存在する。また, 同様に, となるは2つ存在する。よって, のときは解の個数は4つとなる。
(E) のとき, 下図のように交点は1つで, そのときのの値はである。なので, となるの値はと2つ存在する。よって, のときは解の個数は2つとなる。
以上(A)~(E)をまとめると,
のときは解の個数は1つ
, のときは解の個数は2つ
のときは解の個数は3つ
のときは解の個数は4つ
となる。
押さえておくべきポイント
今回のような定数分離の解法は頻出なので, しっかりと押さえておくこと。
やの解が1やになるの値は基本1つしかなく, それ以外は1つの値に対して, それを満たすの値は基本2つあることもことも押さえておきましょう。