emath:高校数学:円の接線(円の外部から2)

こんにちは。今回は円の外部からの接線を求めるときに, x軸に垂直になる方程式を含む場合について書いておきます。書いておくだけで, 特に技があるわけではないので, 補足程度と思ってください。

例題を見ていこう

点(3,5)から円x^2+y^2=9に引いた接線の方程式を求めよ。

結論から言うと, この場合, この記事で書いた解法のうち, 傾きをmと置いた解法では, mの値は1つしか求まらないんですね。なぜかと言うと, y=m(x-a)+bという式の表し方では, x=k(kは実数)という式が表せないんです。実際それを書いておきます。

円の中心と直線との距離が半径と一致

解法① 直線と円の中心の距離が半径に一致
求める直線をy=m(x-3)+5と置くと, mx-y-3m+5=0となり,
円の中心(原点)からの距離が半径3に一致すると置くと,
\dfrac{\left|-3m+5\right|}{\sqrt{m^2+1}}=3
\left|-3x+5\right|=3\sqrt{m^2+1}
両辺2乗して整理すると,
30m=16
m=\dfrac{8}{15}
このとき, 求める求める接線の1つは, y=\dfrac{8}{15}(x-3)+5
もう1つの接線はx=3であることは図形的にわかる。
よって, 求める接線は, 8x-15y+51=0, x=3

判別式=0

解法②判別式=0
求める直線をy=m(x-3)+5とおいて, x^2+y^2=9に代入すると,
x^2+\left\{m(x-3)+5\right\}^2=9
(1+m^2)x^2-2(3m^2-5m)x+9m^2-30m+16=0
D/4=0とすると,
(3m^2-5m)^2-(1+m^2)(9m^2-30m+16)=0
-30m+16=0
m=\dfrac{8}{15}
このとき, 求める求める接線の1つは, y=\dfrac{8}{15}(x-3)+5
もう1つの接線はx=3であることは図形的にわかる。
よって, 求める接線は, 8x-15y+51=0, x=3

このようにこの2つの解法ではmの値は1つしか出てこないので注意が必要です。答えが出たから安心というわけではなく, もう1つの接線の存在を忘れないようにしたいものです。

接線の公式を利用

最後にこの方法なら2つ出てくるという方法を示しておきます。
解法③接線の公式を利用する方法
x^2+y^2=9上の接点をP(x_0, y_0)とおくと,
接線の方程式はx_0x+y_0y=9と置ける。これが(3,5)を通るので,
3x_0+5y_0=9\cdots\textcircled{\scriptsize 1}が成り立つ。
またP(x_0, y_0)は円上の点なので,
x_0^2+y_0^2=9\cdots\textcircled{\scriptsize 2}
\textcircled{\scriptsize 1}3x_0=9-5y_0として,両辺2乗すると,
9x_0^2=(9-5y_0)^2\cdots\textcircled{\scriptsize 3}
\textcircled{\scriptsize 2}を9倍して,
9x_0^2+9y_0=81として, \textcircled{\scriptsize 3}を代入すると,
(9-5y_0)^2+9y_0^2=81
整理していくと,
34y_0^2-90y_0=0
2y_0(17y_0-45)=0
y_0=0, \dfrac{45}{17}
y_0=0のとき, \textcircled{\scriptsize 1}からx_0=3
このとき接線の方程式は, 3x=9, x=3
y_0=\dfrac{45}{17}のとき, \textcircled{\scriptsize 1}からx_0=-\dfrac{24}{17}
このとき接線の方程式は-\dfrac{24}{17}x+\dfrac{45}{17}y=9
以上から, 求める接線は
x=3, 8x-15y+51=0

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