高校数学:対数:対数の大小関係

こんにちは。今回は対数の大小関係について書いておきます。例題を見ながら行きましょう。

対数の大小関係

【例①】\log_38, \log_3 5, 2の大小関係を不等号を用いて表せ。
【解法】底をそろえて真数部の大小を考える。
この場合, 底を3にそろえて,
2=\log_3 3^2=\log_39
底が1より大きいので,
\log_3 5<\log_3 8<\log_3 9
したがって, \log_3 5<\log_3 8<2
【例②】2\log_{\frac13}4, -2, \log_{\frac13}5
【解法】底をそろえて真数部の大小を考える。底が1より小さいことに気を付ける。
2\log_{\frac13}4=\log_{\frac13}4^2=\log_{\frac13}16
-2=\log_{\frac13}\left(\dfrac13\right)^{-2}=\log_{\frac13}9
底が1より小さいので,
\log_{\frac13}16<\log_{\frac13}9<\log_{\frac13}5
したがって,
2\log_{\frac13}4<-2<\log_{\frac13}5

対数の大小関係

aをそろえて考える。
\textcircled{\scriptsize 1} a>1のとき, y=\log_a xは単調増加のグラフなので,
xの値が大きければyの値も大きい。
したがって, 0<p<q\longleftrightarrow\log_a p<\log_a q
\textcircled{\scriptsize2} 0<a<1のとき,y=\log_a xは単調減少のグラフなので,
xの値が大きければyの値は小さい。
したがって, 0<p<q\longleftrightarrow\log_a p>\log_a q

底がそろっている場合

【例③】\log_{\frac12}4, \log_2{4}, \log_3{4}の大小関係を不等号を用いて表せ。
【解法】底を真数にして底変換を行う。
\log_{\frac12}4=\dfrac{\log_4{4}}{\log_4{\dfrac12}}=\dfrac{1}{\log_4{\dfrac12}}
\log_2{4}=\dfrac{\log_4{4}}{\log_4{2}}=\dfrac{1}{\log_4{2}}
\log_3{4}=\dfrac{\log_4{4}}{\log_4{3}}=\dfrac{1}{\log_4{3}}
ここで, \log_4{\dfrac12}<\log_4{1}=0であるから,
\log_4{\dfrac12}<0
また, 底が1より大きいので
0\left(\log_4{1}\right)<\log_4{2}<\log_4{3}なので, \dfrac{1}{\log_4{3}}<\dfrac{1}{\log_4{2}}
以上より,
\log_{\frac12}4<\log_3{4}<\log_2{4}

真数がそろってる

底を真数の値にして底変換して, 大小関係を調べるのがコツ。

分数と比べる

【例④】\log_{10}2\dfrac{3}{10}の大小関係を不等号を用いて表せ。
【解法】まず, \dfrac{3}{10}を底を10とした対数で表す。
\dfrac{3}{10}=\log_{10}10^{\frac{3}{10}}
\log_{10}2, \log_{10}10^{\frac{3}{10}}となり, 底が1より大きいので, 真数部分の大小を考えればよい。
つまり, 210^{\frac{3}{10}}の大小を考えるとよい。
ここで, この2数を考えやすくするために, それぞれ10乗すると,
2^{10}=1024, 10^3=1000となり, 2^{10}>10^3となる。
つまり, 2>10^{\frac{3}{10}}である。
ゆえに, \log_{10}{2}>\dfrac{3}{10}

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