TikZ:高校数学:三角関数を含む方程式・不等式③

こんにちは。今回は三角関数を含む方程式の第3弾ということで書いていきます。例題を解きながら見ていきます。

sinかcosに統一して解く

【例①】0\leqq\theta<2\piのとき, 2\sin^2\theta-5\sin\theta+3=0を解け。
【解法】問題の\thetaの範囲では, \sin\thetaのとる値の範囲は, -1\leqq\sin\theta\leqq1であることを念頭に入れて解いていく。問題の方程式の左辺を因数分解すると,
\left(\sin\theta-3\right)\left(2\sin\theta-1\right)=0
となり,
\sin\theta=3, \dfrac12となるが, \sin\thetaのとる値の範囲から, 3になることはなので, これは不適。
したがって求める\thetaの値は,
\sin\theta=\dfrac12のときである。
よって, \thetaの解は
\theta=\dfrac16\pi, \dfrac56\pi\cdots(答)

【例②】0\leqq\theta<2\piのとき, \sin^2\theta-\cos^2\theta+\sin\theta<0を解け。
【解法】\sin, \cosをともに含む場合は\sin^2\theta+\cos^2\theta=1の関係など用いて, \sin, \cosのどちらか1つの方程式に書き換えるのが定石である。ここでは, 2乗の項の他に\sin\thetaがあるので, \cos^2\theta=1-\sin^2\thetaとして\sin\thetaだけで書き換えることにすると,
\sin^2\theta-\left(1-\sin^2\theta\right)+\sin\theta<0
2\sin^2\theta+\sin\theta-1<0
左辺を因数分解して,
\left(\sin\theta+1\right)\left(2\sin\theta-1\right)<0
-1<\sin\theta<\dfrac12
0\leqq\theta<2\piにおいて, この範囲を求めると, \sin\theta=-1は含まないので, それに注意すると, 下図で色分けしている緑色, 黄色, 赤色の3つの範囲になる。
よって,
0<\theta<\dfrac16\pi, \dfrac56\pi<\theta<\dfrac32\pi, \dfrac32\pi<\theta<2\pi\cdots(答)

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【例③】0\leqq\theta<2\piのとき, -2\sin^2\theta-5\cos\theta+4<0を解け。
【解法】2乗の項-2\sin^2\theta以外に\cos\thetaがあるので, \sin^2\theta=1-\cos^2\thetaを使って, \cos\thetaだけで書き換えることにすると,
-2\left(1-\cos^2\theta\right)-5\cos\theta+4<0
2\cos^2-5\cos\theta+2<0
左辺を因数分解して,
\left(\cos\theta-2\right)\left(2\cos\theta-1\right)<0
ここで, \cos\theta0\leqq\theta<2\piの範囲で, -1\leqq\cos\theta\leqq1の範囲の値をとるので, 因数\cos\theta-2の符号は常に負となる。また問題で, 左辺の符号は負なので, このことから, もう一方の因数の2\cos\theta-1符号は正になることが条件になる。
したがって,
2\cos\theta-1>0が求める範囲になる。
つまり, \cos\theta>\dfrac12
よって, 求める範囲は,
0\leqq\theta<\dfrac13\pi, \dfrac53\pi<\theta<2\pi\cdots(答)

sin,cosが混合する場合
\sin^2\theta+\cos^2\theta=1などを使って, \sin\thetaまたは\cos\thetaだけの方程式にして解く。
その際, \thetaの範囲から\sin\theta, または, \cos\thetaの取りうる値の範囲の考慮を忘れないこと。


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