こんにちは。今回はデータの値がすべて
倍されたら, 平均, 偏差, 分散, 標準偏差, 相関係数がどう変わるか見ていきます。
平均
データ
の平均を
とすると,![]()
ここで, データをそれぞれ
倍して平均
をとると,
このように, 平均は
倍されることが分かります。
偏差
偏差はデータと平均との差なので, データは
倍されて, 平均も先の計算から
倍されることから, 偏差は
倍されることが分かります。以下参照ください。
このように右辺の結果は,
倍されることが分かります。
分散
分散は偏差の2乗の平均ですから, 元の分散を
とすると, ![]()
倍されたデータでは, 偏差が
倍されるので, その分散
は, ![Rendered by QuickLaTeX.com \begin{array}{rcl}s'^2&=&\dfrac{1}{n}\left[\left\{a\left(x_1-\overline{x}\right)\right\}^2+\left\{a\left(x_2-\overline{x}\right)\right\}^2+\left\{a\left(x_3-\overline{x}\right)\right\}^2+\cdots+\left\{a\left(x_n-\overline{x}\right)\right\}^2\right]\\&=&a^2\cdot \underbrace{ \dfrac{1}{n}\left\{\left(x_1-\overline{x}\right)^2+\left(x_2-\overline{x}\right)^2+\left(x_3-\overline{x}\right)^2+\cdots+\left(x_n-\overline{x}\right)^2\right\} }_{\LARGE{s^2}} \\&=&a^2\cdot s^2\end{array}](https://mathtext.info/blog/wp-content/ql-cache/quicklatex.com-3edb2e8291f28efaa4d6092b3d0dbb68_l3.png)
したがって, 分散は元の分散の
倍になる。
標準偏差
標準偏差
は分散の正の平方根なので,
分散が
倍されるなら標準偏差は
倍されます。絶対値が付いてるのは
の場合を考慮してのことです。
となります。
は元の標準偏差です。
相関係数
2つのデータ
,
があるとき, 共分散
は次式で与えられます。![]()
また, それぞれのデータの標準偏差を
,
とすると,
相関係数
は![]()
で与えられます。
相関係数を片方のデータ
を
倍したとき, 両方のデータを
倍したときで見ていきます。
【Case1】
片方のデータ
を
倍したときの共分散
は, 平均
も
倍されるので, 
標準偏差は
倍されるので, このときの標準偏差を
とすると, ![]()
したがって, このときの相関係数
は, 
これは,
なら1倍で変化がなく,
なら
倍で, 元の相関関係の位置関係が上下逆(例:強い正の相関が強い負の相関になる)になることが分かります。
【Case2】
両方のデータ
を
倍したときの共分散
は,
このように, 共分散は
倍されます。
また, 標準偏差
はそれぞれ,
であるから, このときの相関係数
は, 
となり, 元の相関係数と変化がないことがわかる。
②分散は
③標準偏差は
④相関係数は片方
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