こんにちは。今回はデータの値がすべて倍されたら, 平均, 偏差, 分散, 標準偏差, 相関係数がどう変わるか見ていきます。
平均
データの平均をとすると,
ここで, データをそれぞれ倍して平均をとると,
このように, 平均は倍されることが分かります。
偏差
偏差はデータと平均との差なので, データは倍されて, 平均も先の計算から倍されることから, 偏差は倍されることが分かります。以下参照ください。
このように右辺の結果は, 倍されることが分かります。
分散
分散は偏差の2乗の平均ですから, 元の分散をとすると,
倍されたデータでは, 偏差が倍されるので, その分散は,
したがって, 分散は元の分散の倍になる。
標準偏差
標準偏差は分散の正の平方根なので,
分散が倍されるなら標準偏差は倍されます。絶対値が付いてるのはの場合を考慮してのことです。
となります。は元の標準偏差です。
相関係数
2つのデータ, があるとき, 共分散は次式で与えられます。
また, それぞれのデータの標準偏差を, とすると,
相関係数は
で与えられます。
相関係数を片方のデータを倍したとき, 両方のデータを倍したときで見ていきます。
【Case1】
片方のデータを倍したときの共分散は, 平均も倍されるので,
標準偏差は倍されるので, このときの標準偏差をとすると,
したがって, このときの相関係数は,
これは, なら1倍で変化がなく, なら倍で, 元の相関関係の位置関係が上下逆(例:強い正の相関が強い負の相関になる)になることが分かります。
【Case2】
両方のデータを倍したときの共分散は,
このように, 共分散は倍されます。
また, 標準偏差はそれぞれ, であるから, このときの相関係数は,
となり, 元の相関係数と変化がないことがわかる。
②分散は倍になる。
③標準偏差は倍になる。
④相関係数は片方倍のときは倍, 両方倍なら変化なし。
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