高校数学:データの値がa増えたらどうなる

こんにちは。今回はデータで, データの値がそれぞれa増えた場合, 平均, 偏差, 分散, 標準偏差, 相関係数がどう変るか見ていきます。

平均

データx_1, x_2, x_3, \cdots,x_nの平均を\overline{x}とすると,
\overline{x}=\dfrac{1}{n}\left(x_1+x_2+x_3\cdots+x_n\right)
ここで, データにそれぞれaを加えて平均\overline{x'}をとると,
\begin{array}{rcl}\overline{x'}&=&\dfrac{1}{n}\left\{\left(x_1+a\right)+\left(x_2+a\right)+\left(x_3+a\right)+\cdots+\left(x_n+a\right)\right\}\\&=&\dfrac{1}{n}\left\{\left(x_1+x_2+x_3\cdots+x_n\right)+na\right\}\\&=& \underbrace{ \dfrac{1}{n}\left(x_1+x_2+x_3\cdots+x_n\right) }_{\LARGE{\overline{x}}} +a\\&=&\overline{x}+a \end{array}
このように, 平均はa増えることが分かります。

偏差

偏差はデータと平均との差なので, データはa増えて, 平均も先の計算からa増えることが分かったので, 偏差に変化は起こりません。以下参照ください。
\begin{array}{rcl}(x_1+a)-(\overline{x}+a)&=&x_1-\overline{x}\\(x_2+a)-(\overline{x}+a)&=&x_2-\overline{x}\\(x_3+a)-(\overline{x}+a)&=&x_3-\overline{x}\\&\vdots&\\(x_n+a)-(\overline{x}+a)&=&x_n-\overline{x}\end{array}
このように右辺の結果は, aの値に左右されません。

分散・標準偏差

偏差の2乗の平均が分散なので, 偏差に変化がないということは分散にも変化はありません。したがって, 分散を基にした標準偏差も変化はありません。

相関係数

2つのデータx_1, x_2, x_3,\cdots, x_n, y_1, y_2, y_3, \cdots, y_nがあるとき, 共分散s_{xy}は次式で与えられます。
s_{xy}=\dfrac{1}{n}\left\{\left(x_1-\overline{x}\right)\left(y_1-\overline{y}\right)+\left(x_2-\overline{x}\right)\left(y_2-\overline{y}\right)+\cdots+\left(x_n-\overline{x}\right)\left(y_n-\overline{y}\right)\right\}
また, それぞれのデータの標準偏差をs_x, s_yとすると,
相関係数r
r=\dfrac{s_{xy}}{s_x\cdot s_y}
で与えられます。
今, データにa加えたとしても, 上で示したように, それぞれの偏差には変化が起こりません。したがって分散, 標準偏差にも変化が起こらないので, 相関係数にも変化がないことが分かります。

データがa増えたら
①平均はa増える。
②偏差・分散・標準偏差・相関係数には変化はない。
データがa減った場合は①において, 平均はa減ります。

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